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殿！ い、一大事にございます。 |
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なんだ騒々しい。 まさか、曹操が喧嘩でも吹っかけてきたのか。 |
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そのまさかにございます。詳しくはこの書簡を！ |
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『今、雄兵百万、勇将千人を携え、将軍と江夏にて狩をせん。 ともに劉備を討ち、江南を二分し、永く同盟せんことを欲す。』 |
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・・・うッ・・・。 |
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華北の袁家を破った今、曹魏は背後を攻められる心配がありません。 そして、ついに我らに牙を剥いてきたのです・・・・・・。 |
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・・・・・・。 |
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袁家を併呑した曹操は蝗の群れに匹敵する兵数と、 綺羅星のごとき数の将帥を得ております。 先主の築いた国と民をむやみに傷つける必要はありませんぞ！ これは降伏の由を送ったほうが・・・・・・。 |
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子布よ、寝ぼけたことを抜かすな！ |
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…ぬぅ、魯粛…！？ なにを、新参の分際で！！ |
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……我々 家臣は、身の振りようもある。 曹操に降伏しても、その臣下として取り立てられるだろうよ！ |
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しかし、我が君はどうなる！？ 辺境に流されるか、死罪を受けるであろう！ 劉表の次子、劉ソウの身に何があったか、知らぬ大元老・張子布ではあるまい！ |
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しかし、我らが主君 孫権殿は、犬や豚に評される劉ソウとは違うのだ！ 必ずしも処分を受けるとは限るまい！ 張繍の件もあるのだ！ |
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張繍の時とは時勢が違うのだ！ そもそも張繍も曹子桓からは冷遇され・・・・・・。 |
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ふははははははは！ |
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と、殿？ |
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艦の用意をしろ！ 虎狩り用鉄鋼檻車も忘れずになぁ！ あと酒！ |
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殿！ いきなり虎狩りとは！ いったいどこへ！？ |
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曹操の所に決まってるだろう！ |
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な、なにを言っておられるか！ 曹操は宣戦布告文を叩き付けてきたのですぞ？ |
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目でも悪くしたか！張子布！ ここにはっきり『将軍と江夏にて狩をせん。』と書いてあろう。 曹操はわしと、いや、この俺様と狩をしたいといっておるのだ。 |
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それでも『雄兵百万勇将千人を携え』は宣戦布告の確たる・・・・・・。 |
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うるせぇ！ 巻き狩りのための兵だろう！ これ以上ガチャガチャ抜かすとタタッ斬るぞ！ 狩好きに悪人ナシ！ Let's ハンティングゥゥゥゥ！！ |
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行っちまった・・・・・・いや逝っちまった、かな。 |
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ああぁぁァァ！ あのイカレヤンキーが！ わしの輝ける老後をぶち壊す気かぁぁ！ 青二才め！ 早速投降の用意じゃ！ |
盲目の怒れる猪の如き勢いで、張昭は走り去った。
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気持ちはわかるぜ・・・・・・。 |
ところ変わって曹軍陣地
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丞相、一大事です！ |
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荀彧、そんなに泡を食って何事だ。 呉が降伏の使者でも立ててきたかな？ ハハハ！ |
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孫権がみずから、訪ねて来ました。 |
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・・・・・・。 江南は気温が高いが、お前ほどのものも幻覚を見るのか？ |
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冗談ごとじゃありません！ 本当に呉の孫権(を名乗る男)が 「狩りをしよう」、「はんてんぐ」と喚きながら船に乗ってやってきています。 |
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わしは人をおちょくるのは好きだが、 おちょくられるのは大嫌いなんだが。(怒) |
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嘘と思うなら外へ出てください！ 楼船の下まできていますから！ |
楼船・甲板
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狩りしようぜ～曹操！ Let's ハンティング～！ |
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・・・・・・。 |
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・・・・・・嘘は言ってないでしょう？ |
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頭が痛くなってきた・・・・・・。 荀彧、弓兵の用意を・・・・・・。 |
楼船（呉軍）
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曹操～！カモ～ン！ おまえから誘ったんだぞ！早く出て来～い！ |
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自分の父親世代を呼び捨てとはいい度胸だな孫仲謀！ おまえの様な脳足りんのケツと眼の青い青二才と狩りなどできるか！ |
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は、謀ったな！ 曹操！！ |
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謀るまでもなかったわ！ 弓隊構ェェェ！ |
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げっ！ |
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撃てえぇぇぇぇぇぇ！ |
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ヴぅああああああああああああ！ 命だけはぁぁぁァァァ！ |
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フハハハハッ♪ 屠殺場の豚の様な目で命乞いをしろぉぉぉぉ！ |
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ぎゃあああぁぁぁァァァ！ 親父～！兄貴～！ 今逝くかもしれないぜ～！ |
辛くも虎口を脱した孫権はこの後、打倒曹魏を心に誓うのである。
また、
孫権を追い払った曹操は時同じく、
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孫呉には名士・知識人が豊富と聞いたが主があの男ではな・・・・・・。 |
と思いにふけり、
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あの程度の男に百万の兵を仕向ける必要もないか・・・・・・。 鶏を割くのにどうしてビーム○ーベルを使う必要があろう？ ふふふふ。 |
と、時代を無視した点もある思いをめぐらし、
孫呉を軽視した方向で戦争の用意を始めた。
これが赤壁大敗戦の真相であるとかないとか・・・・・・。
