三国劇場 |
張遼、長江に散る | |
作: とます 様 |
何とかして張遼を破らねば、呉の安泰はない。 よし、ここは一計を案じて……。 |
張将軍。 間諜の報告によれば、 長江のほとりにいる女性が将軍を捜しているようです。 |
何? 女性が私に会いたいと? |
はっ。将軍のお越しを今か今かと待っているとか。 ……素敵な女性だそうですよ。 |
いらんことを言わんでよろしい。 しかし、素敵な女性か……。 |
( こんなカンジの、可憐な お嬢さんであろうか? ) |
( いやいや。あるいは…… ) |
( 夫ある身にもかかわらず、この張遼の魅力に 心を奪われてしまった、イケナイ奥様なのかもしれぬ♪ ) |
ふっ、私も罪作りな男であることよ。(笑) ……よしッ、行ってみることにしよう。供は無用だ! |
将軍、それは危険です! |
無粋な奴だな。少しは気を利かせたらどうだ? では、行ってくるぞ! 帰りは明朝になるかもな。ハッハッハ! |
張遼よ、何でも素敵な女性に会ったと聞いたが。 ……一体このケガは何としたことだ? |
す、素敵な女性ではなく……。 |
……ふむ? |
……不敵な徐盛でした……。 |
……。 |
おあとがよろしいようで……。 |
全然よろしくない!! |
ぐふっ!! |
は!? 思わずツッコミを入れてしまった。 張遼、大丈夫か? おい、張遼!? |
作者様 コメント: | 張遼が徐盛の計に敗れたのと 曹丕が自ら見舞ったのは事実らしいですが、 他は全部フィクションです(^^;。 |
天猿 コメント: | テンポの良さ、といい、 オチまでの運び方、といい。 非常に完成度が高く、誰が読んでも楽しめる作品かと。 お見事です! |