無敵の喧嘩番長、孫堅の死後。


その後を継いで旗上げした孫策は、
その圧倒的カリスマ性で、先代の孫堅とは
違う色に孫呉を染め上げてしまう。

『 江南爆走族 SON・呉 』

紆余曲折をへて、結成された無敵の暴走チーム。

……その出現により、今 江南のヤンキー勢力地図は塗り替えられようとしていた……

うおおおおおおおおッ！！

興平元年。（西暦 １９４年）

袁術から独立した孫策は、怒涛の快進撃を開始。

その第一ターゲットは、揚州刺史 劉繇（りゅうよう）であった。



しかし。

調子づくな、孫策ッ！ この太史慈が相手だッ！！

孫策に、思わぬ強敵が出現する。

その名は、劉繇の配下 太史慈。

……ほぅ……？ 貴様が太史慈か……。

………………。

……聞いたことがある。 かつて、黄巾賊のチンピラ共を相手に ただ一人、突撃を敢行して。 ……その包囲網を突破したという……。

……………………。

『 不敗のロンリーウルフ 』！！ 青州の孤狼、太史慈！ 貴様とは一度、コブシを交えてみたかったゼ？

……ふふ……！ 思っていた通りの男だ、孫策……。

………………。

……貴様の噂は聞いている。 喧嘩チーム『 江南爆走族 SON・呉 』の、 総長にして事実上の創設者。 覇王・項羽の再来。 ……小覇王と呼ばれる男……。

……………………。

『 無敵のクレージー・ドッグ 』！！ 揚州の狂犬、孫策！ いざ、雌雄を決しようではないか？

……野郎、なめやがってッ！！

わざわざ、総長が出るまでもない。 我らの手で、教育してくれよう！

『江南爆走族 SON・呉』、鋼鉄の掟。 従う者には寛容を。 ……刃向かう者には鉄槌を！！

手を出すんじゃねぇ、馬鹿どもがッ！！

……うぅッ！？

………………。

コイツは、俺の獲物だ。 邪魔をするなら……。

……仲間と言えど、噛み砕く、……か？ ふッ！（笑） さすがは、狂犬の異名に恥じぬ男よ。

……ほざけ、太史慈！ タイマンで決着をつけてやる！！ 楽　し　も　う　ぜ　ぇ　〜　〜　〜　〜　ッ　！　！

……望むところッ！ 見えるか、孫策？　あの血の色のような夕焼けがッ！？ オマエがこれから染まる色よッ！！

かくして、自らの武に絶対の自信を持つ男達同士の。

空前のタイマン勝負が展開されたのであった。

おっらぁああああああッ！

バキッ！

ぜいやぁあああああッ！！

ガスッ！

……す、すげぇ……。

……伯符のパンチをまともに受けて なおも立っていられる男がいるとは………。

ああ。（汗） とんでもなく、タフな野郎だぜ。

………はぁッ！……はぁッ！ ……ぐぅうう………。

……ぜぇッ…ぜぇッ……。 ごふごふッ……。

バキッ！

……ぐあッ！

ズガッ！

……ごぉッ！！

……　バタリ　……

うおおおおおッ！？ そ、総長〜〜〜〜〜〜ッ！？

りょ、両者 ノックダウン！？

……こ、これは……？ 先に立った方が、勝ちなのか！？

……ふ……。 ど、どうやら……、孫策……。 お、オマエの勝ちのようだぜ。

……な、なにぃ？

……俺は、とても立ち上がれそうもない、 からな。（笑）

……へ……。 だったら、俺の負けかもしれねぇなぁ。

？？

……俺は、このまま朝まで寝ていたい気分、 だからな。（笑）

ふ……ふふ。

……くッ…くッくッくッ。

はははははははははッ！！

ど、どーゆーコトだ？

……ふ。 わからないのか、おまえ達？ 男の勝負は、ときとして勝利や敗北では 割り切れないこともあるのだよ。（笑）

ま、よーするに。 戦いの後に芽生える友情、ってやつだ。 ある意味、最高の決着と言えるのかもしれねぇやな。（笑）

やるじゃねぇか、太史慈。

おまえもな、孫策。

……握手して、くれるか？

……願ってもない。

……おお……。（感動）

……なんと見事な男達であることよ……。（涙）

…ニイチャン…、……あんた最高だぜ……。

♪……ニヤリ……ッ♪

……かかったな、太史慈！！ 食らうがいいッ。 孫策パァーンチッ！！

……おろかなり、孫策！！ 冥府に落ちろッ。 太史慈バーニングナックルッ！！

……バキィッ！！……

ぐ、ぐはッ！？

……ク……？

…クロスカウンター…？

……　バタリ　……

………………。

帰るか。

やなもん、見ましたね。

あいつら、どーします？

ほっときゃ、いーんじゃねーの。 気持ちよさそうに、寝ているよーだしな。

うん。 あのまま、永遠に目が覚めなければいーのにね。

『江南爆走族　SON・呉』

その、伝説の始まり。


総長　孫策と、太史慈との激闘は名勝負として、
後々まで人々に語り継がれることとなる。


これより後。

太史慈もまた彼らと志を共にし、

激闘の日々へと身を投じることになるのだが。


それはまた、別のお話。