三国劇場 |
『江南爆走族 SON・呉』 再び (前編) | 原案: ゲスト様 |
文章: 天猿 |
かつて長江より南、呉の地には
伝説の暴走族が存在した。
『江南爆走族 SON・呉』
……はぁー。(ため息) |
ん? どーした、伯符? 浮かない顔だな。 |
周瑜よ。 やっぱ、チームを解散したのは失敗だったなぁ。 |
……。 何を今さら。 |
「暴走族だと、女の子に嫌われる」 「女の子にモテるために、チームを解散する」 とか言って、チームを解散したのは孫策サマじゃないですか。 |
呂蒙の、言う通り。 我ら、涙を飲んで 孫策サマの意向にしたがったのですぞ。 |
そーだよ、ニイチャン。 あんまり勝手なコト、言うなよな。 |
……まぁ、 そーなんだけど、さぁ……。 |
??? |
チームを解散したところで、 女の子にモテるよーになったワケでも、ねーじゃん? |
ううッ!?(涙) |
そもそも、だな。 俺達みたいなヤンキーは、やっぱ目立ってナンボなんだよ。 前回は、たまたまアプローチの方法がまずかっただけ、とゆーか。 |
……確かに。 もーちょっと、スマートに決めればよかったスよね。 |
うむ。 乱暴モノという印象を与えたのが、 まずかったのかもしれぬ。 |
ちょっぴり危険な、バッドボーイズ。 今度は、そんなカンジで女心をくすぐれば……。 |
よし♪ 決定だな。 『江南爆走族 SON・呉』 !! 再結成といこうじゃないかッ!! |
イッエーイ! ヒューヒュー!! |
……う。(汗) |
今、再び! 俺達の伝説が始まるのだッ!! 無敵の戦闘集団にして、狂気の暴風ッ!! 行くぜッ! 悪魔も蹴散らすタフガイ共!! |
おっしゃぁああああ!! 刃向かうヤツぁ、ぐちゃぐちゃにしたらぁ〜! |
おまえ達。 ……盛り上がっているところ、悪いが……。 |
なんだよ、周瑜? 今、いいところなのに。 |
伯符よ。 今回は、私は遠慮したいのだが。 |
……な!? なんだとぉう〜〜〜!? |
いや、正直なところ。 私は、普通にしていれば、普通にモテるのだよ。 |
…………。 |
自分で言うのも、なんだが。 ガラの悪いオマエ達と違って、爽やかな美形だし。 |
………………。 |
頭もいいし。 |
……………………。 |
ついでに言えば、 実家は結構 お金持ち。 |
…………………………………。 |
さらに言えば、音楽センスも最高。 絶対音感の持ち主、ですらある。 私としては、普通にバンドか何かをやって、 モテモテな青春を送りたいのだよ。(笑) |
……………………。 |
………………………………。 |
ん? どーした、おまえ達? |
この、裏切り者め。 |
びくぅッ! |
総長。 コイツ、やっちまっていいすか? |
二度と、女に色目を使えないような顔に仕上がるよう ボコボコに整形しちゃりましょーや?(笑) |
うん。 ついでに裸にひん剥いて、 街中 引きずりまわしちゃおう♪ |
うわわわわわわ………ッ!!?? |
まぁまぁ。(笑) ここはひとつ抑えろや、オマエ達。 |
お言葉ですが、総長。 この件ばかりは、聞けません。 たとえ総長が許しても、俺達は許せないッス。 |
抜けるなら抜けるで、 それなりにケジメはつけてもらわないとね。 |
まったくです。 チームの今後を考えても 脱落者への制裁は絶対的に必要かと……。 |
おい、おい♪ 周瑜は俺のマブダチだぜ? 本気であんなコト言うわけねぇだろぉが?(笑) |
い、いや、そのぉ……。(汗) |
じぃ〜〜。( ←疑惑の視線) |
ううッ。 |
なぁ、周瑜? あれは、ただの冗談だろ? 副総長として、今後も俺を支えてくれるよなぁ?(笑) |
う、うぅ〜〜。 |
おいおい。 返事は「ハイ」だろ? |
これ以上、手を焼かせんじゃねぇ。(ぎろり) |
ぐッ!? |
( もはや、是非もなし。 腹を決めるしかないか ) |
( そもそも、こいつらのよーな悪魔共を 野放しにしていいワケがない。 常識ある私が、ストッパーを務めなくては……) |
わ、わかった……。 伯符。おまえ達に、ついて行こう……。 |
へへ♪ わかってくれたようだな? おっしゃ!! じゃぁ、再結成を祝して。 ぱぁ〜〜ッと、宴会といこうや!! |
ヒューヒューッ♪ |
ま、待て。 そんな金、どこにあるのだ? |
そんなん、 そこらのオヤジをハンティングして、 まきあげればいいじゃないっすか? |
最近は、ガキ共もけっこう金持ってるしね。 |
コンビニを襲撃して、 一石二鳥を狙うのもアリですな。 |
……もぉーいい。 私がなんとか、する。 頼むから、これ以上 被害者を出さないでくれ。(涙) |