 |
私は荀彧。自分で言うのもなんだが私は天才だ。 魏は私一人で成り立っているといっても過言ではない。 |
|
ちなみに、ルックスもイケメンだ。 ふふふふ……♪ |
|
しかし、最近は 思わしくない状況にある。 曹操殿が魏公となるのを反対しただけで 疎んじられ、ハブにされているのだ。 |
|
実に、いまいましい話だ。 俗物と付き合うのは まったくもって疲れるものだな。 |
|
……だが。 そんな殿が何の心境の変化か、 私に食い物をよこしてきた。 |
|
ふん。今さら、何のつもりだ。 だいたい、ガキじゃあるまいし。 食い物くらいで誤魔化されてたまるか！ |
|
……とは、言え。 |
|
『 建国の功臣 荀彧殿へ。 どうかどうか、これまでの非礼を許して欲しい 』 その心がけは、評価しないでもない♪ |
|
まぁ、箱の中身くらいは 確認してやってもいいだろう。（笑） |
ガサ ガサ
|
……ん？ なんだ、これは？ 空っぽではないか。 いったい、どういうことだ？ |
|
…………。 ……そうか！ |
|
食ったと礼を言えば、 間違って空の箱を送ったと言って私の不実を責め。 礼を言わねば、 料理を送ったとはずだと言って非礼を責めようというわけか。 |
|
ガッデム！ 舐めた真似をしてくれるッ！ |
|
ちぃっ！冗談じゃない！ 天才の私が あんな低脳にはめられてたまるか！？ |
|
……とはいったものの。 これはさすがに難題だな。 さぁて、どう切り返したものか？ あの人妻マニアをうまくコケにするには……。 |
|
…………。 ………………。 |
|
……よし！ 少々荒っぽいが、この手で行くとしようか。（笑） |
…… その頃、曹操は ……
 |
くっくっく。 そろそろあのインテリくずれが 泣きをいれてくる頃かもしれぬなぁ♪ |
|
どう転ぼうとも、奴に勝ち目はない。 まさに完璧なイヤガラセと言えよう。（笑） |
|
しかし、彼奴めもまた私の見込んだ知恵者。 思いもよらぬ、 起死回生の妙手を打ってくるやもしれぬ……♪ |
|
さあ！ どうでる荀彧よ！ |
ダダダダダッ
 |
殿！ 一大事でございます！ 荀彧様がつい先ほど お亡くなりに！ |
|
な、なんだってーーー！？ |
|
し、しまった。 そこまで、追いつめることになるとは……。（汗） |
|
……くッ。 とにかく、荀彧のもとへ急ぐぞッ。 |
荀彧の部屋にて
|
現場です。 どうやら死因は窒息死のようですな。 |
|
何？ 首を吊った形跡もないのにどうやって窒息を？ |
|
どうやら、何か異物を飲み込んだ様子。 |
|
異物、とな？？ |
|
はぁ……。 何か、箱のようなモノを……。 |
|
ま、まさか！！？？ |
|
殿！ 何か墨で書かれています！ これは……、荀彧殿の遺言？ |
 |
わが殿へ。 『 ご馳走様でした 』 ── 荀彧より♪ ── |
|
荀彧ーーーーーーーーーーー！！！ |
しかし、あまりにも情けない死に様であり、
せめてもの情けということで、毒を飲んで死んだということになったそうな。
| 作者様 コメント： | 2度目の投稿です。 荀彧の口が悪すぎですね。 |
| 天猿 コメント： | いやぁ、こういうガラの悪い荀彧も けっこう魅力的です。（笑） 実際、けっこう裏表の激しいタイプだった かもしれませんし、ね。 キャラクターの性格やオチも含め、 意外性に富んだ作品です。お見事！！ |
