三国劇場 |
公孫瓚 無理心中 | 作品提供 : 孫 様 |
アレンジ : 天猿 |
VS |
うぉぉん、袁紹めぇ! とっとと撤退しろよ!(涙) こう囲まれちゃ城外にナンパにも行けねぇじゃねぇかぁ!? |
ひっどぉい。 私達がいるじゃないですかぁ! プン!プン!(怒 ) |
おぉ、怒らないでくれよ、マイ エンジェル達! 君達は十分可愛いんだぜぇ! |
だけど俺は欲深い男。 気に入った娘(モノ)は全て手にいれねぇと気がすまねぇのサ!! 悪く思わないでくれよ、ベイベ♪ |
あぁぁん、 伯珪さまったら、欲張りなんだからぁ♪ でも、そんなところも魅力的ぃ♪ |
ふふふふ。 ういヤツらよのぉ♪ |
……ん? なにやら外が騒がしいのぉ。 |
あなた!! |
うげぇ!! わが悪妻……、もとい正妻よ!! なななな、何なのだぁ!!? |
何だとは、何よ!!? そもそも、悪妻ってどーゆーコト?(怒) |
ひぃ!! |
まったく、 私という者がありながら、アナタという人は……。 |
……じゃ、なくて。 今は そんなコトよりも大事な話があるのですッ。 |
外です! 外を、見てくださな!! |
そ、そんなに慌てて……。 ど、どうしたと言うのだ、一体? |
いいから、見なさい!! |
うぉ!! なんじゃこりゃああああッ!? |
貴方が頼りにしていた、城楼が……。 崩れ去っているでしょう? |
ひょ、ひょっとして先ほどの轟音は……? |
し、しかし……。 俺は、1000もの城楼を築いたんだぞ? |
兵法では、『 百の城楼は攻略できず』とある。 俺はそれどころじゃない規模で、 難攻不落の要塞を築いたハズなんだッ! |
でも、実際に崩れ去っているじゃないッ!? |
え、袁紹のヤツ……。 い、いったい何をしやがったんだぁ!? |
わが殿。 どうやら、成功した様子ですな。 |
そのようだな。田豊よ。(笑) |
地中にて坑道を掘り。 敵の城塞の真下にて、それを決壊させる。 |
意図的に起こされた 落盤は。 敵陣営の建築物を 足もとから倒壊させていく……。 |
これ すなわち、『 穴攻 』の策。 『墨子』にも記されているように、 古来より城攻めには よく使われてきた方法です。 |
ああ。とりたてて、奇策というわけでもない。 始皇帝の時代より以前から、伝えられている正攻法にすぎん。 |
もっとも、これほど大規模な城塞に対し。 これほど大規模な『 穴攻 』 を 実行した例は、そう多くはありませんが、ね。(笑) |
つまり。 『 徹底的な正攻法 』、というわけだ。(笑) |
つまらぬ小細工や目論見など、正面から粉砕する。 それこそが、わが信念。 わが陣営の戦い方なり! |
袁紹様! 今こそ、我らの武勇を示すとき。 出撃の許可を くだされッ!! |
よかろう。 道は開いた。ゆくがよい。 |
穴蔵に潜んだケダモノを、 私の前に引きずり出してこいッ! |
おおおおおおおおおおおッ!! |
どうするのよ!? 私こんなところで死にたくないわよ! |
……うぅ……。 |
は、伯珪さまぁ……。( 涙 ) |
おいで、愛しのエンジェル達よ。 ……そしてお別れだ。( 涙 ) |
え……、えぇッ!? |
いやぁああああああッ!! |
…………。 |
さぁ、お前もだ。 我が妻よ……ッ! |
嫌よ!! 私は死にたくありません!!! |
どこに逃げても、じきに袁紹の兵に捕まるであろう。 そーなる前に。 武家の嫁として潔く死ぬのだ!! |
何が武家の嫁ですか! |
この期に及んで、勝手なコト言わないでくださいな!! |
そもそも、 アナタが本当に私のコトを愛していたのか、 はなはだ疑問ですワ!! |
そんなコトはない! 私は、オマエのコトを心から愛している!! |
その証拠に……。 |
そ、その証拠に? |
誰にもそなたを渡すつもりはない! まして袁家のヤツらになど! さぁ、共に死のう! |
……げッ!? |
さぁさぁさぁさぁさぁさぁ!!! 来世でも、我ら二人は夫婦となるのだぁ! ふはははははははははぁッ♪ |
来ないでぇぇぇぇェェ!!!!! |
う ぐッ!? |
ふふふ。 ……マイ エンジェル達は、誰にも渡さないのサ……。 |
こ、幸福なんかじゃありません!!(泣) |
そーよ、そーよ。 ホントの恋も知らないうちに死ぬなんてぇッ!(泣) |
そ、そんなぁ!? つれねぇコト言うなよぉ、エンジェル達ィ……。( 涙 ) |
作者様 コメント: | 虚構満天に作り変えてしまいました。 実際はどうだったのやら? |
天猿 コメント: | ほんっと、公孫瓚の最期だけは救われないですねぇ。 劇の中では正妻が必死に抵抗してますが、 実際には有無を言わさず道連れにしたのだと思われます。 とは言え、彼が当代きっての戦争家であったのも事実。 正史に残る記録を見る限り、 彼の騎兵指揮能力は、あの呂布にも匹敵するでしょう。 その公孫瓚をして、 「まさに神わざというべきか。 太鼓や角笛の音が地の底から響いたかと思うと、雲梯や衝車が わが櫓の上にあらわれる。われらは、一日ごとに窮地に陥るのみ」 と言わしめた、袁紹軍の総攻撃。 一般的な認知度は低いのですが、 袁紹もまた極めて高い軍事能力の持ち主だったのです。 |