三国劇場 |
激突!長坂橋(後編) | |
作品提供 : 迦楼羅 様 |
そっ、曹操軍だ〜! 曹操軍が来たぞ〜! |
おおおおおおッ!! |
きゃぁああああ! |
お、お母さまぁ〜〜ッ!(泣) |
に、逃げろぉおお〜! |
殿! 曹操軍が我らの軍勢に追いつき、最後尾の民たちは 蜘蛛の子を散らすように逃げ惑っております。 |
えぇ〜! マジ!? |
マジです。 |
……っど……どうしよう。 ……今は、逃げます!(無双3Empires大喬風) |
……は、はぁ……? |
張飛〜! しんがりは頼んだYO! じゃっ♪ |
ちょ……ちょっと……! アンタって人はぁ〜〜〜〜ッ! |
はっはっはっは〜! この燕人張飛さまがしんがりを務めるからにゃあ、 蟻んこ一匹たりとも通しはしないぜ! |
ふふふっ、性懲りもなく来やがったな雑魚どもめ。 |
むっ、橋の前にいるのは誰だ? |
惇兄ぃ、あいつは張飛だ! |
ふむ、たった一騎ですか。無謀ですな。 |
でも、すごい殺気を感じるだ〜よ。 |
たった一騎というのはおかしい。他に伏兵がいるかもしれんぞ。 |
やい! どうした てめぇら! 俺が燕人張飛だ! 誰でもいいからかかってきやがれ! |
くぅ……ッ。なんちゅーでけぇ声だ。 まだ空気が震えてるぞ。 |
耳が痛てぇ……。 |
(小声で)おい……。 誰も向かって行かんのか? |
無理を申すな。 今の大喝で兵の士気がガク落ちだ。 それに伏兵でも来られたら、勝てるとは限らんぞ。 |
あっ、曹操様が来るぞぉ。 |
ふむ……、どうしたのだお前達? たった一騎ごときに何を躊躇っておる。 |
おぉ、遂に総大将のお出ましか。 やい、曹操! てめぇこんなヘッポコな部下を持って恥ずかしくないのか? |
全員足がガクガクじゃねぇか。 小便チビる前に、さっさとお家へ帰ったらどうなんだ? |
な……なにぃ〜! |
どうした? さっきから彫像みたいに固まりやがって。(笑) 逃げるのか逃げないのかはっきりしやがれ! |
くっ……。 万雷のごとき大喝よ。 |
へ? |
ん? |
げぇ! 橋が壊れた! これじゃ帰れないじゃん! |
やばい……。 兄者〜! 趙雲〜! ヘルプミ〜! |
……ニヤリ。 |
ひいっ!? |
さて……敵はたった一騎。 我々は五千騎。どう転んだとしても我々の勝ちだ。 |
問題は、この騒音野郎をどう料理するかだが……? |
捕まえるだ〜よ。 |
ふふふ……。あれほど、わが軍を口汚く罵倒してくれたのだ。 ただでは、すまさぬ。 |
ここは我々の軍門に降らせ、この下品な容貌を改造してくれよう。 |
外見が美しくなれば、自然と心も美しくなるであろうからな♪ |
やだ! 絶対ヤダ! 死んでもやだ! 俺はこの顔が気に入ってるもんね〜だ! |
ふはははは。この期におよんで、じたばたするな。(笑) 全軍、この虎ヒゲを捕らえろ〜。 |
うぎゃ〜! |
うわ! 誰だ、オマエは? |
いや、その……。 張郤が言うには、かなり美しくなったそぉなのだが……。 |
作者様 コメント: | なんだか主人公がコロコロ代わる奇妙なストーリーになってしまいました。(笑) それにしても、張飛の大喝って何デシベルぐらい出たんでしょうね。 あっ、それと張飛にイタズラしたのは殆ど張郤;です(笑) |
天猿 コメント: | 史実においては 先に橋を落とし、 対岸にて見得をきった、という説もあります。 よくよく考えると、一人で数千の敵を威圧するのは難しいので、 この説の方が現実的かもしれません。 しかし、後の定軍山の戦いでは、 張郤を、わずか十数騎までに討ち減らして敗走させています。 張飛が並々ならぬ武勇の持ち主であったのは、事実だと言えるでしょう。 |