【 前回までのあらすじ 】
夢と興奮に満ちた 魅惑のテーマパーク 《 銅雀台 》
そんな銅雀台に訪れた、ある一家。
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運悪く、お父さんとお母さんを見失い、
はぐれてしまった子供達ではありますが
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夢いっぱいの青空ライブ 『魏レンジャーショー』 のおかげで、
おおいに勇気づけられた様子です♪
しかし、お楽しみは、まだまだ これから。
スリルいっぱいの世界をさまよう、
彼女達の小さな冒険を、追っていきましょう！
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魏レンジャーショー会場
その出口にて
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あー、面白かった。 五大将、強かったねー。 |
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そうね。 勝てば官軍、を地でいってたよね。 |
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敵の怪人も、すっごくリアルだったよね！！ 大耳大王とか、反骨魔人、白眉仙人とか……♪ |
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うん。 それは、着ぐるみじゃなくて ホンモノだったからだと思う。 |
１０分後
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……お姉ちゃ～ん。 パパやママ、見つからないよぅ。 |
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……見つからないわねぇ。 どうやら、ヒーローショーには、 来ていなかったみたい……。 |
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このまま、会場の出口に立っていても仕方がないし。 他を当たるとしましょう。 |
それから、しばらくして……
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お姉ちゃん、見て見て！！ |
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えーと、ここは……お化け屋敷のようね……。 入ってみようか？ |
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うん！！ |
♪ ヒュ～ドロドロドロドロ…… ♪
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うふふふふふ。 ♪ ぐ～るぐ～る ぐ～るぐ～る ♪ |
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うわぁああああああん！！（泣） |
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ぐへ……ぐふぇ……うへへへへッ！ ♪ も、持ってけ…。オラの牛、持ってけぇ……♪ |
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ひぃいいいいい！？（泣） |
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……どぉしてですかぁあ…… どうして私を捨てたのですかぁ……？ 曹操様ぁ、お恨み申しあげまするぅ～～。（涙） |
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いやぁあああああああああああ！！（泣） | |
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……おや、私が見えるのですか？ |
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ひい！？ |
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これは嬉しいですね。 死んだ後も、このお化け屋敷の幽霊として 仕事を与えられたまではいいのですが。 |
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お客様のほとんどは、霊感のない方ばかりでして。（苦笑） 正直 ガッカリしていたのですよ。 |
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今、あっちでサボってる典韋殿や郭嘉殿も 呼んできますから。 おおいに怖がってくださいね♪ |
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～～～～～～～～ッ！？ | |
だだだだだだだだだッ！！（逃走）
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司馬懿さんが出てきて 首を回すのは予想していたけど……。 |
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他にも怖い人、 いっぱいいるんだもん！！（泣） |
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本物の幽霊まで出てきちゃ、洒落にならないわ！ |
だだだだだッ！！
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……はぁっ、はぁっ……！ |
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ねえ、お姉ちゃん。 おなか空いちゃったよぉ～～。 |
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そぉね。 走ったから、喉も渇いたし。 どこかに、レストランは……、と……。 |
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……な、なにか、とてつもなく イヤな予感が……。 |
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だいじょーぶ、だいじょーぶ。 食べられたりしないって♪ |
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子供は、無邪気でいいなぁ……。 |
♪ カラン カラン ♪
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いらっしゃいませ♪ |
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どんなメニューがあるの？ |
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オススメは、夏侯惇ランチです。 いかがでしょう？ |
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ＤＨＡが、たっぶりと含まれており 脳の発育にも最適。 小さなお嬢ちゃんには、特にオススメしますぞ。（笑） |
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ど、どんな料理？ |
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夏侯惇の目玉を、丸ごと 生で 呑み込んでいただく！ 贅沢かつ野性味あふれる料理です！！ |
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……う。 |
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そんなもの、絶対に出さないでよね！！ 他に、何かないの？ |
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で、では……。 程昱スペシャルコースなど、いかがでしょうか？ |
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メインディッシュは、スペアリブ。 骨付き肉を大胆にガブリとどうぞ♪ |
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……何の骨付き肉？ |
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それは食べてのお楽しみです。 |
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何の骨付き肉かと、聞いているんだけど？ |
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そ、それはそのぉ……。 他の店では、食べられない珍しい肉でして。 |
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しかし、決して高くはないですぞ？ |
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戦争や飢饉、疫病の後なら、簡単に手に入るのです。 それこそ食べきれないほど、地面に ゴロゴロ 転がっていますから♪ |
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……ま、まさか ソレって……？ |
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ふふふふ。 まぁ、後は食べてみてのお楽しみ。 禁断の味ほど、それはそれは甘美でしてな……。 |
げ し っ ！ ！
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ふぎゃっ！？ |
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で、出よう！！ |
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え～～？ でも、まだ何も食べてないよぅ？ |
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食べられないうちに、出ると言ってるの！！（汗） |
だだだだだだだだだッ！！（逃走）
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と、とにかく！！ 一刻も早く、父さんと母さんを……。 |
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あ♪ パパとママだぁ！！ |
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お父さーん！ お母さーん！ |
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お、オマエ達！ |
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ぶ、無事だったのね？ |
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パパー、ママー！ 良かった、やっと会えた♪ |
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……でも、大丈夫？ 二人とも、何か疲れてない？ |
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まあな。 生きているのが、奇跡というか……。（汗） |
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そうね。 かろうじて最後の一線だけは、 守れたから良かったものの……。（汗） |
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？？？ | |
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……いや、なんでもない。 |
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……帰りましょう。 |
ゲートにて
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おや、皆様。 もうお帰りですか？ |
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いけませんか？（怒） |
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そ、そんなコトはありませんが。 私、当テーマパークの マネージャーを務めております荀攸と申しまして……。 |
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もし、まだお時間があるようでしたら。 この後のナイトパレードなど、ご一緒にいかがかと。 |
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もう結構です！（怒） |
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そ、そうですか……。 では、せめて。 こちらの品を、記念にどうぞ。 |
スッ
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いいんですか？ タダでもらっちゃって？ |
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ええ。（笑） 残念ながら、当テーマパークを 心から楽しむことができなかったご様子。 |
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せめてもの、フォローとして これらの品を、お土産として お受け取り下さい。 |
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おじちゃん。 おみやげ、ここで見てもいい？ |
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これ、お行儀の悪い！（怒） |
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いえいえ。お母様。 お気になさらず。 今日は、お子様が主役なのですから。（笑） |
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いっそ、ご家族全員で ご覧になってはいかがですか？ 私から 各アイテムのご説明をしてさしあげましょう。 |
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は、はぁ……。 |
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わぁい♪ |
ガサ ガサ
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………………。 | |
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これは……空箱？ |
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ははは。 魏王閣下が荀彧殿に贈られた、 由緒ある呪いのアイテムです。（笑） |
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嫌いな人に、贈り物として送ってみてください。 |
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うまくいけば、完全犯罪が成立します。 他ではまず、手に入りませんよ♪ |
ガサ ガサ
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………………。 | |
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この、孟徳新書というのは？ |
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魏王閣下直筆の兵法書です。 |
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使いようによっては、 自殺道具にもなるんですよ♪ |
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曹操様の前で、思いっきり その書物の悪口を言ってみてください。 その場で、死刑を言い渡されること間違いなし！！ |
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世の自殺志願者にとっては、 まさに垂涎の品と言えましょう！！ |
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……ブチンッ。 |
どかっ ばきっ げしっ
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痛い痛い痛い痛い痛いッ！（涙） |
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あんまし、 民衆をなめんでもらえますかね？（怒） |
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で、では、これなどいかがでしょう？ |
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「わくわく銅雀ランド」完全フリーチケット。 |
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私達一同、 皆様の、またのお越しを心よりお待ちして……。 |
どかっ ばきっ げしっ
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二度と来るもんですかぁッ！（怒） |
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………………。 | |
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もう一度、来たい？ |
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ううん。 ……もぉいいや。（汗） |
……こんなことが続いたため、
銅雀台はオープンから半年も経たないうち閉園となったとか。
