三国劇場 |
株式会社 蜀漢 ( 後編 ) | 原案: 富士出月様 |
文章: 天猿 |
ゆ、ゆるさーんッ!! こんなCMを流すなど、絶対に許さんぞぉおおおおおッ!! |
今さら、何を言いやがるッ! このCM作るのに、いくらかかってると思うんだ!? |
そうですよッ! 無責任なコト、言わないでくださいッ!! |
知るか、そんなもんッ! そもそも、なぜ私の妻を出演させたのだぁッ!? |
なんなら周瑜殿。 御自身の妻を出演させて作り直してはどうかッ!? |
あー、そりゃ無理です。 |
私の妻は、もともと美人ですから。 今回のCMには、起用しにくいんですよね。 他のCMでは、バリバリ活躍してもらっているのですが。 |
なッ!!?? |
俺のアニキの奥さんも、美人だしなぁ。 妹も、エステには興味ないみたいだし。 |
身内に、無理にエステでキレイになりたいって人は いないんですよねぇ。 |
そもそも、我々 孫呉は 若くてビジュアル系なメンバーで固めてあるからな。 |
社員を採用する際も、 不細工なヤツは、面接で落っことすくらいだし。(笑) |
もぉー、いいッ!! ……よぉーく、わかった……!! |
ふむ? |
よーするにッ! つまるところッ!! |
テメェら、喧嘩 売ってるんだな!? 上等だ、買ってやる!! 潰してやるからなぁあああああッ!!! |
ほぅ? 困りましたねー。 色々と誤解されてしまっている様子。 |
……しかしながら。 |
まぁ、いいでしょう。そっちがその気なら。 わが社と御社、全面戦争といこうではありませんか。 |
もっとも、孔明殿が そのように荒れ狂うワケも、 わからなくはないのですけどね。(笑) |
不美人な奥様に悩んでいるがゆえに。 美人な妻を持つ私に大して、 異常なほど敵愾心を燃やさざるをえない……。 |
実に、哀れだ。ふふふふ。 |
うッ、…うぉおおおおおおおおおッ!(号泣) 天はなぜ、この孔明と周瑜を、 同じ時代に生まれさせたのだぁああああ〜〜ッ!? |
ふぅ。 まったく、周瑜のヤツも容赦がない。 で、どうします? 劉備殿? |
……そうですなぁ。 いやいや、困りました。 孫権殿、少々 申し上げにくいのですが……。 |
ふむ? |
実のところ、私も 腹が立っているのは否めないところでして。 |
今回は、お引取り願おうか? ガキ共。 |
なるほど。 あくまで、我が社と、一戦かまえるつもりですか。 |
後で、吠えヅラかくなよ? 貧乏人。 |
うわー……。(汗) |
なんだか、スゴイ事になってますね。 |
もう茫然自失、って感じ? 業務提携の予定が フタを開けたら全面戦争勃発だもんなぁ。 |
やれやれ、まったく。 業界トップの 『 曹魏グループ 』 に対抗するには、 呉蜀、両社の協力が不可欠と思っていたのだが。 |
まぁ、仕方ないですね。 両社の利害関係が一致していない以上、 争いは避けられますまい。 |
……で。 アンタ達はどうする? |
へ? |
いっそ、おたくの会社に見切りをつけて。 ウチの会社に来ませんか? |
……うーむ……。 |
給料は、期待できるぜ。 どうする? |
……………………。 |
なかなか、魅惑的な話ですが。 遠慮して、おきましょう。 |
ああ。 俺達の会社も、ろくな会社じゃねぇが。 |
俺達には、この会社が合っている気がするのでね。(笑) |
なるほど。 ままならぬものですな。(ニヤリ) |
いやいや。 まったく、ですな。(ニヤリ) |
あのぉ〜〜。 アルバイトでも、いいんで。雇ってもらえませんか? |
僕、名前をホウ統と言います。 先日、『 SON呉 コーポレーション 』 の面接に 落ちちゃいまして。 |
こちらの会社で拾ってもらえたら、嬉しいです。 ……やる気だけは、ありますから……。 |
決定。 正社員で採用。 |
…え、ええッ!? いいんですか? |
ははははは♪ いやいや、キミぃ。大歓迎ですよ! |
うむ。 共に 『 SON呉 コーポレーション 』 を、やっつけような♪ |
( ……やっぱ、ダメかもしれない。この会社…… ) |