三国劇場 |
りゅうび | |
作: かいがら 様 |
界橋の戦いののち。
劉備にホレぬいた趙雲は悩んでいた。
この当時、趙雲は北方の雄 公孫瓚に仕えており、
義理堅い性格ゆえ、趙雲は劉備の誘いに対して
にわかに応じることができなかったからである。
趙将軍のような勇猛の士が私に力を貸してくれたら、どんなに嬉しいことか… |
ああ…寝ても覚めてもあの劉将軍のお言葉が…。 私のほうこそ…。 私こそ、あのような方にお仕えしたかったものよ。 |
しかし… 我が殿 公孫瓚様には恩義を感じている。 出奔して、劉将軍にお仕えするのはいかがなものか…。 |
そうだ! 劉将軍をよく知る方々にその人となりを聞いてみよう! 劉将軍をもっとよく知ってから……決断しても、差し支えあるまい! ……ふむ、まずは関羽殿を訪ねてみるとしようか。 |
兄者? 非常に素晴らしい漢だ。 人の上に立つ資質と風格を、生まれつき持っておられる。 私も同じ時間を共有できて良かったと思っておる。 |
私も兄者から学ぶことは多いな。 なんせ常に寝食を共にしておるからな。 ははははは! |
(だ…男色!? ま、まさか…! そ、そうだ、張飛殿にも聞いてみよう!) |
兄貴? ああ、面倒見いいし、優しい、いい人だぜ! オレの上に立つ人は、兄貴しかいないな。 |
やることも豪快だしな! 横暴な督郵官をブチのめした時はスカッとしたぜ! さすが兄貴!ってな! 督郵官のヤツ、息もたえだえだったぜ! ガハハハハ! |
(!? ぼぼ、暴行!? い、いや、そんなはずはない! そ、そういえば殿は劉将軍と同門! 今すぐにも…!) |
ん? 劉弟のことか? あいつとは同門でな。すぐに親しくなったものだ。 豪傑を引き付ける魅力を生まれながらに持っているなぁ。 |
思えばあの遊学ももう何年も前か…。 あの頃から劉弟は荒っぽい若者を連れて回ってたなぁ。 狩りと称して、よく馬を乗り馴らしていたものよ。 |
(ヤ、ヤンキー!? 暴走族!?) |
まぁ勉学には励まなかったな。あいつは、とにかく。 授業を無視して剣戟の話ばかりしていたので… よく先生から怒られていたものよ。 「一門の期待を背負って遊学している身で、学を身に付けぬとはいかなることぞ」 ……ってな。(笑) |
(が…学級崩壊…スネかじり…) |
ああ、授業中に 「オレもいつか皇帝のよーに、桑の車蓋の車に乗るぜー」 って叫びだしてこともあったなぁ。 先生に大激怒されたものよ! ははははは! |
…… ……あは…あははは… |
…ん? どうした? お、おい!? |
かいがら様 コメント: | ……ほんとのとこ、風格はあったみたいです(笑) |
天猿: | ……史実における劉備は、若い頃はかなりの道楽息子だったみたいです。 地元のちょいとした金持ちの親戚で、着飾ることが大好きで、 遊侠の士達とつるんで、遊び歩いていたとか。 しかし、魏の曹操・呉の魯粛の青年時代も似たようなものでした。(笑) 若き日の英雄達が、エネルギーを持て余しいた様子が想像できて、 むしろ好意的に解釈できるエピソードだと思います。 |