三国劇場 |
ロバな人達 (蜀漢 編) |
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作: 天猿 |
呉の諸葛瑾は面長の顔をしており、ロバに似ていたという。
と、いうことは。
……ひょっとして彼の弟である あの人物の顔も……
……ふむ。 今日の軍議はここまでにしておきましょう。 後は私がまとめますので、各将軍は兵士の調練に励んでください。 |
ははッ! |
では、これにて解散!! |
……う〜む……。 |
おや? 魏延殿、何を考え込んでおられるのですか? |
む……。こ、これは孟達殿。 い、いや、何でもない。 つまらぬ、ことなのだが……。 |
ははははは。 「何でもない」とか 「つまらぬこと」と言われると。 ……逆に、気になるものですよ。(笑) |
…うぐ…。 |
私でよかったら、是非 話して下さい。(笑) 少しは、お役に立てるかもしれませんし。 話すだけで、気が楽になるということもありますぞ? |
そうか。 いや、……本当に、つまらぬことなのだが……。(笑) |
ふむふむ。 |
我らが軍師、孔明殿の顔。 |
何かに、似ている気がしてならんのだ。 それが、どーにも気になってなぁ。 ははは。(苦笑) |
……そーいえば……? 微妙に、何かの動物に似ているような気が……。 |
……ん!? 動物!?? |
うーん。 でも何の動物かってぇと、にわかに思いつかないような……。 |
……あ♪ ロバだ! ロバだよ、ロバ!! |
あぁッ♪ そう言われてみるとッ!? |
あの微妙に面長な顔といい♪ |
でも、面長といっても♪ 馬ヅラって言うほどには、可愛げがないんですよね♪ |
そうそう。 一度 機嫌を損ねると、テコでも動かないとゆーか。 現実のロバもそーだしな。 ホントーに可愛げがねぇ。そのあたりも、そっくりだ♪ |
♪発見、発見〜〜〜♪ ♪我らの軍師は、ロバヅラだぁ〜〜! わーいわーい♪ |
コラッ! そこの二人!! |
ひぃ!? |
いったい、何の話で盛り上がっているかと思えば……。 誰かの耳に入ったら、ただでは済みませんよ!!(怒) |
た、確かに。(汗) |
滅多なことを言うモノではありません。 今の話は聞かなかったコトにしますから、以後は謹んでください! |
……ぬぅ……。 わ、わかった……。(汗) ( しかし、この発見……。私の胸に、しまっておけるのだろうか……?) |
だ、駄目だ! 我慢できんッ。 この発見、声を大にして叫びたくて仕方がない!! |
しかし、ただでさえ孔明殿に嫌われている私が。 そう叫んでまわれば、 間違いなくあの男は、私を殺そうとするだろう……。 |
……とは言え……。 叫びたくて叫びたくて、今にも気が狂いそうなコトも事実。 ……となると。手段は、ひとつしかあるまい。 |
……よし。 このくらいの深さで、いいだろう。 |
すぅ〜〜〜〜〜〜! (息) |
……孔明サマの顔は、ロバの顔〜〜〜ッ!(絶叫) |
馬や鹿にも劣る、ロバの顔〜〜〜〜ッ!!(絶叫) |
ハッキリ言って、馬鹿ヅラだぁ〜〜〜〜〜〜♪(絶叫) |
戦争は下手クソなくせに、なぁにが軍師様だぁッ? このアホンダラァー〜〜〜♪(絶叫) |
ヘンテコな顔を奇妙なウチワで仰いで、調子こいてんじゃねぇぞぅ〜〜ッ! いい年して、乳母車に乗りやがって! 大きなオ子様とは、オマエのコトだぁ〜〜〜♪(絶叫) |
♪ロバ ロバ ロバ ロバ ロバ ロバ ッ♪ バァロォー! バァロォー!! バァロォー!!! バァロォオ〜〜 ッ!!! |
ふぅ……♪ あー、スッキリした!!(笑) 後は、この穴を埋めれば……。 |
ふふ……。完璧だ……。 まさに完全犯罪ってカンジ♪ うむ♪ 今夜はいい夢が見れそうだ!!(笑) |
おや? 今日は魏延の姿が見えませんね。 病か何かで、伏せっているのでしょうか? |
はて? 昨日、話したかぎりでは元気そうでしたけど……。 |
単なる寝坊じゃないですかね。 たぶん、夜更かしでもしたんでしょう。 |
ふむ。 ……まぁ、いずれにせよ。 |
あの男の不愉快な顔を見ずにすむのなら、 それにこしたことはありません。(笑) |
いっそ、永遠に出仕してこなきゃいいくらいですよ。 はははは♪ |
( この人、ホントに魏延殿のことが嫌いなんだなぁ……) |
……ところで。 |
今日は実にいい天気ですね♪ こんな日は、領内の見回りに出るのもいいかもしれません。 |
見回り? いや、軍師殿ほどのお方が、そのような雑事など……。 |
ははは。 国のトップに立つ者ほど、 常に領民の暮らしぶりを見ておくべきなのですよ。 |
民の姿に目が届かないようでは、 本当の政(まつりごと)とは言えませんからね。 |
さすがは、孔明殿! 見事な見識ですな♪ では、我らもお供しましょう!! ( やれやれ。その熱い思いを、ちったぁ俺達にも向けて欲しいぜ…… ) |
……おや? あんなトコロに、何かを埋めた跡がありますね? |
ふむ? そう言われてみると……。 |
……なんだか、とっても気になります。 オマエ達、掘り返してみてください!! |
……は、はぁ……。 ( なんだか、とってもイヤな予感がする……) |
……孔明サマの顔は、ロバの顔〜〜〜ッ!(絶叫) |
…………!? |
げげぇッ!? ( ……こ、この声は……) |
馬や鹿にも劣る、ロバの顔〜〜〜〜ッ!!(絶叫) ハッキリ言って、馬鹿ヅラだぁ〜〜〜〜〜〜♪(絶叫) |
……ほぅ……。 |
……………………ッ!? ( ひ、ひぃいいい〜〜〜ッ!!) |
……ふむ。 全部、聞かせて頂きました。(笑) |
あわわわ。 |
さて、どうしたものでしょうか? (ニヤリ) |
…………ッ!? |
叛骨の相などと、 デタラメをでっちあげて後世に汚名を残したり♪ |
敵の軍師もろとも、 焼き殺すような作戦を立案し、 逃げ遅れて炎にまかれる様を見物してみたり♪ |
遺言で、戦場に置き去りにして、 不仲な家臣と衝突させて叛乱を起こすように仕向けるのもいいですね♪ |
……………………ッ!!?? |
ふふ……、完璧です……。 どの作戦も、まさに完全犯罪ってカンジ♪ うふ♪ ……当分いい夢が見れそうですねぇ……!!(笑) |
( お、おそろしい……。なんて、おそろしい人だ!? ) |
天猿 : | 『王様の耳はロバの耳』 の童話をモデルにしたのですが、 ちょっとわかりにくかったかな?(笑) なお、史書には、諸葛亮の顔に関する記述はありません。 ……個人的には。 諸葛亮と諸葛瑾、顔は似ていなかったと思います。 性格も得意分野も、かなり違う兄弟ですから。 |