三国劇場 |
ロバな人達 (孫呉 編) |
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作: 天猿 |
諸葛亮の兄、諸葛瑾。
字(あざな)は子瑜。
彼は面長の顔をしていたという。
……ある宴会の席にて、イタズラ好きの孫権は一計を案じ……
はっはっは♪ 皆の者ぉ、こちらに注目せぇ〜い♪ |
?? ……おや? |
?? なぜ、こんなところに……? |
はっはっはっは♪ うむ、これはちょいとした余興じゃ♪ |
?? |
??? |
♪まぁ、見ておれ♪ ……この驢馬の首に札を下げさせて……。 |
……チョイチョイっと、このよーに書き込むと……。 |
…………あ!? |
……うう……!? |
…………!! |
これこのとーり!! 諸・葛・瑾・の・出・っ・来・上・っ・が・り・ぃ・い・い・い〜〜〜〜♪ |
ぶわははははははは!! に、似てるぅう〜〜〜♪ そ、そっくりやぁ〜〜〜♪(嬉) |
くっ……くく……!! そ、孫権様……悪ふざけが……過ぎっ… ……ぷぷっ、……ます…………くくくぅ……ッ!(笑) |
だ、駄目ですよぅ………わ、笑っちゃ……いけま…… ……くぷぷっ…、…ん〜〜んん〜〜ッ!!(笑) |
な? な!? だろぉ〜? (ウケてる♪ ウケてる♪ わーいわーい) |
は……はは……。(苦笑) ( やれやれ。……わが殿にも困ったものだ……) |
怒るなよぉ〜〜諸葛瑾♪ あくまで余興じゃ♪ そちの徳を軽んじているわけではないのだぞ? |
……孫権サマ。(笑) ここは父に代わり、 私もひとつ余興で応えてよろしいでしょうか? |
おお、諸葛瑾の息子 諸葛格か♪ 面白い、何をして見せてくれるのだ? |
……ふふ……。 孫権様の書いた文字の下に、 二文字だけ加えさせて頂きたいのですが? |
……ふむ? よかろう、許すぞ♪ やってみせよ!(わくわく) |
では、失礼して……。(笑) |
…『 諸葛子瑜 之驢 』…? …………あ…………!? |
…………ああッ! |
…………むむッ…………!! |
……ふふ。 これこのとーり、 『 諸葛瑾のロバ 』 という意味になりました♪ |
うっひゃひゃひゃひゃぁあッ!! こ、こいつは一本 取られましたなぁ、孫権サマ〜?(嬉) |
ははははは! うむ、たった二文字でロバの持ち主が変わってしまうとは!?(笑) |
実に見事な切り返しですね♪(笑) さぁ、孫権サマ どういたしますか? |
う……うう〜〜〜!? ま、参った参った。 よし、褒美じゃ! このロバは、諸葛瑾に与えよう!!(笑) |
……わ、わが殿……。 よろしいのですか? |
よいよい♪(笑) 貴公には日頃から家臣達との仲を取り持ってもらうなど、 本当に世話になっておるのだからな。 |
思えば、私もちょっと悪フザケが過ぎたかもしれぬ……。 貴公にたいしての、お詫びの気持ちも込めて。 是非とも、ロバを贈らせてもらおうではないか! |
……わ、わが殿……。(感涙) |
ふふ……。 それにしても、よい息子を持っているではないか? |
……は、はい。 私には、過ぎた息子で……。(照) |
……で? 孫権様。 僕への、ご褒美は? |
へ?? |
もぉう、やだなぁ〜〜♪ |
アンタのクソつまらねー、出来の悪いジョークの フォローをしてあげたのは誰さ? 僕でしょ? |
……そのお礼を、まさかロバ 一頭で済ませようなどと ケチィことは考えていないよね? |
う!? |
うう!? |
……うううッ!? |
……そ、そーじゃの……。(笑) な、何がいい? お菓子? 服? 名馬? |
……はぁん? (ジロリ) 年頃の男の子が、 そんなチャチなモノで納得いくわけがないじゃない? |
ううううううッ!? |
……たとえばぁ♪ ちょっぴり、イケナイことまで個人指導してくれる 美人のオネーサマな家庭教師を、斡旋して欲しいとかぁ……♪ |
…………ッ!! |
……それともぉ♪ どんな理不尽な要求やセクハラにも黙って応えてくれる、 可愛くて従順なメイドさんをプレゼントして欲しいとかぁ……♪ |
……………………ッ!! |
……あるいはぁ♪ ステキな未亡人 二喬や、可愛い出戻り娘の 孫尚香サマを、 愛にあふれる言葉で慰めさせて欲しい、とかぁ……♪ |
こ、このガキャァア〜〜〜ッ!!(怒) |
そんなフシダラなことを考える大人にならないよう、 書物を読んで教養を深めたいんですよねぇ、僕は♪ |
……う……!? |
そーゆーわけで。 |
……ご褒美は、是非とも書物でお願いしますね♪ 孫権様♪ (クスクス) |
は……はは……。 そ、それはよい心がけじゃの……。(汗) |
( うわぁ〜〜、やなガキ……) |
……じゃ、帰るとしましょうか、父上。 あ、ロバを忘れないようにね。 |
( 我が家をおおいに盛んにするのもこの子なら、 我が家を根絶やしにするのもこの子であろう) |
天猿 : | …目立ちたがり屋で自信過剰なあたり、 間違いなく父よりも伯父の血を濃く受けた少年だったようです。(笑) なお、一説には驢馬の顔に、白粉(おしろい)で文字を 書いたともあります。……こっちの方が、オシャレかもね。 |