三国劇場 |
晩餐会 | |
作: とます 様 |
呂布を倒した後、劉備は曹操に伴われて許都へと凱旋。
曹操は劉備を気に入り、たびたび招いて歓談したという。
そんなある日のこと・・・。
許都 曹操邸。
劉備殿、今日は我が自慢の軍師を紹介しよう。 |
程c、字は仲徳にござる。お見知り置きを。 |
おお、はじめまして。ご高名はお聞きしております。 |
我が軍には天下の奇才が多いが、この男は特に凄いぞ。 とにかく、人を食った男でな。 |
ご謙遜を・・・。そんな不真面目な御仁には見えませぬが? |
いやいや、まことの話だ。人を食ってばかりおる。 我が配下ながら、全く油断ならぬ男よ(苦笑)。 劉備殿も気をつけることだ。 |
・・・さて。私は政務があるので出かけねばならぬ。 劉備殿、ゆるりと過ごされよ。 程c、劉備殿の接待は任せる。だが、くれぐれも失礼があってはならんぞ! |
程c殿、気になされるな。 実は私も、人を食った男と言われることが多くてな。 |
・・・なんと。劉備殿も・・・。 |
ああ、だから貴殿の気持ちは分かるつもりだ。 人からどう言われても、気にすることはない。 |
劉備殿・・・感激です。誰も分かってくれないと思っていました。 劉備殿、お近づきの印に、明日にでも我が家へお越しください! 心を尽くして歓待いたします。御兄弟も誘って、ぜひ! |
程c殿、約束通り参った。義弟たちも一緒だ。 |
美味い物なら大歓迎だぜ! |
これはこれは、ようこそ! すでに宴席の準備は整っております。 劉備殿なら必ずや気に入っていただけるものと思います。さあ、お入りください! |
うむ、では、馳走に・・・ |
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー! |
だから、気をつけろと言ったのに・・・。 |
ゲップ♪ 少し余ってますが、殿も食べます? |
要らん! |
天猿 : | とます様から頂きました。 『世話』という資料によると、程cは呂布との兗州攻防戦において 不足した兵糧に人肉を混ぜたというエピソードがあります。 真偽のほどは疑わしいのですが、それほどに凄みのある男だったことは事実。 初期の曹操を支えていたのは、程cや郭嘉のような徹底的なリアリスト達と言えましょう。 ちなみに劉備が人を食った男、と言われるのは性格的なものです。 まぁ、演義では旅の途中に劉安という人から彼の奥さんをご馳走されていますけど。(笑) |