三国劇場
『 司空府将軍会 』
作: かいがら 様



官渡の戦いののち。

降将 張郤は晴れて曹操の臣下となった。

張郤を迎えた歓迎の宴が開かれ…

その帰路で。



張郤 まさかいきなりこんなに好待遇とは。さすがは天下に名だたる曹司空閣下…!

私の力量を評価してくれる君主にめぐり合えて、本当によかった。
一生をこの国のために捧げる所存よ

ぬっ

徐晃 さすがは張将軍。
白馬義従との戦で名を挙げただけはあり、立派なお考え。

それがしも貴公と全く同じ思いでござる。

張郤 うおっ…! と、徐将軍でありましたか。

気づかず申し訳ない。
…いつから?

徐晃 先ほどからずっと貴公の隣にいたでござるが…。

張郤 はは…それは失礼。

(影薄い…)



徐晃 それはそうと、貴公を「司空府将軍会」にお誘いに参った。

是非にご快諾を。



張郤 将軍…会?

徐晃
くだいて言えば、司空閣下を心からお慕い申す将軍の会合でござる。

国内の良将はほぼ全て参加しておられる。
また、夏侯両将軍をはじめとする、ご一門の将軍方も参加しておられる。

貴公を良将と見込んでお誘いしている次第。





張郤 ふむ…いかがいたしたものか…

(やったぞ、他の将軍方にも「良将」と認めてもらっている!)



徐晃 まぁ、一度参られただけの、名前だけの会員も多いでござるが(苦笑)

張郤 え…?

名前だけ?

徐晃 左様、一度会合に参ってから、
何故か二度と参られぬ将軍が多い。

素晴らしい会合であるのに。



張郤 (なにか猛烈にマズい予感がする…)

ぐ、具体的活動は?

徐晃
宴が主でござるな。
宴でお互いを語り合う。

まぁ、前回は張文遠将軍と李将軍が斬り合いになったり。
他にも于将軍の説教語りが4時間続いたり。

実り多い宴でござった。(ニコ)



張郤 !?

徐晃 もちろん、将軍方の真面目な演説会もある。

この間は、夏侯将軍に演説していただいた。
「舌で楽しむ、我が目玉」というテーマでござったかな?

張郤 !!?

徐晃 他には…そうだ、運動会もござる。

前回の目玉は、
許将軍との牛引っ張りレースでしたな。



張郤 いや…。
折角のご推薦、ありがたいが。

謹んで、じ……。

徐晃 ご快諾いただけるか!

いやぁ、実に喜ばしい!

張郤 え…?

あ…その…?




徐晃 それがし、貴公を必ず勧誘して参ると大見得を切ってきた建前。
全く引くことも出来ませんのでな!

自害の準備もムダになり、よかった!


張郤 じじ、自害!?

(なに考えてんだ!?)


徐晃 この徐公明の命が今あるのは、貴公のおかげでござる!


ぎゅー


張郤 ぐ…ぐるじぃ…・
あ…はは…。

じゃ、じゃあ、今日はそうい…。


徐晃 実は将軍会の方で、すでに歓迎会の準備もしておって!
では早速参りましょうぞ!

于将軍も貴公と語り合いたいと首を長くして待っておって!

むんず

張郤 え…あ、ちょっと、いずこに…。



ずるずる



張郤 い〜や〜〜だ〜〜!!





かいがら様 コメント : 未来が開けていたはず!
そして、それは輝かしいものであったはず!

…張郤の運命やいかに!



天猿 : かいがら様から頂きました。

はっはっは。さすがは最強国家 魏、タチの悪さも最強♪
関羽が劉備のもとに逃げ帰ったのも、
実は『司空府将軍会』がイヤだったからなのかもね。