三国劇場
最強タッグ (後編)
作: 天猿



『 前編のあらすじ 』

……もしも呂布と孔明が出会っていたら……

ひょっとしたら、荊州や益州はあっさり取れていたかもしれない。

さてさて、そんな二人の次なる犠牲者は?


呂布 なぁ、孔明。

どうやら、俺達はとても気が合うらしいな。

孔明 そうですね、呂布殿。

どうやら、似た者同士のようですから。



孔明 ところで、呂布殿。

呂布 うむ?



孔明 ……邪魔な部下が
二人ほどいるのですが……。

始末しちゃっても、いいでしょうか?

呂布 ほぅ。

まず、一人の名前は?



孔明 いや、目をかけていたヤツに、

馬謖っていう名前の青二才がいるんですけどね。

孔明 こいつが、先日 大失敗しちゃいまして。

おかげで、私まで責任追及されそぉなんですよ。

孔明 …………で。

これ以上、周りが うるさくなる前に、
スパッと斬っちゃいたいんですよね。



呂布 ふぅん。

で、もう一人は誰だ?



孔明 魏延っていう名前の、

後頭部が出っ張った武将なんですが。

孔明 見ているとムカつくし、
いつか裏切りそうな気がするんです。

……なんとなくですけど。

孔明 そのうち、敵の軍師もろとも罠にハメて、

焼き殺しちゃおーかなー、とか考えているのですが……。



呂布 ……うーん……。

孔明 ……やはり、

ダメでしょうか?



呂布 …………………………。 孔明




呂布 ……いいんじゃない?

どっちも殺しちゃって。

孔明 おぉ♪




呂布 ムカつくヤツは、殺せばいーの。

考えるのは、殺した後でいいって。

孔明
素晴らしい!!

殿こそ、私が求めていた真の英主。

戦争には強く、判断には迷いがない。
……どこぞの耳の長い無能とは大違いですともッ!!


呂布 ははははは。

あまり誉めるな、照れるではないか!(笑)




孔明 いいえ、すべては私の本心。
私達二人が組めば、恐れるものはありません。

最強の武と最高の知が、力を合わせれば……。

呂布 うむッ!

三国どころか、地球征服も遠い日ではないぞ!!

……いやいや、宇宙を制覇する事すら、
夢ではあるまいて。(笑)




呂布 孔明 はーっはっはっはっはっはっ……!!





……もしも呂布と孔明が出会っていたら……



本当に、三国統一なんて速攻だったかもしれない。

少なくとも、最高に相性がよかったのは疑い様がないところ。


歴史に『 もしも 』はないけれど、夢のタッグチームを色々と想像するのは、

なかなかの知的スリルだったりする。




天猿: いえ、あくまでジョークですからね。……あくまで…… 一応……。