三国劇場 |
GO! GO! 憎まれっ子 (第2話) | |
作: 天猿 |
『 前編のあらすじ 』
魏の曹操とくれば、最悪の人格の代名詞。
そんな曹操の少年時代は、
もちろんド腐れな不良少年だったことは言うまでもない。
そんな少年 曹操の、ある日の遊びは、
『 金にあかせて、貧しい物売りをからかうこと』
医者として有名でなかった頃 薬売りをしていた華佗は、
絶好のターゲットとなってしまう。
しかし、華佗も曹操の悪ガキぶりに堪忍袋の緒が切れてしまい……。
……ふふふ。 お金持ちのお坊ちゃま。是非、この薬売りに、 今一度 名誉挽回のチャンスを、くだされ。 |
……ちっ。 しつこい物売りだな。 |
そんなコトをおっしゃらずに。 なんなら、お坊ちゃまの本当の望みを叶える薬を、 今 この場で調合しますぞ? |
……ほぅ? 俺の、望みを叶える薬、だと? |
さようで。 |
俺の、望みがわかるのか? ……面白い、試しに言ってみるがいい。 |
失礼ながら、 お坊ちゃまは やや背が低いようですな。 男のコならば、心 ひそかに悩む事もおありでしょう? |
……む。 よ、余計なお世話だッ!!(怒) |
しかし、この華佗は心得ておるのですぞ。 『 一気に体を成長させる妙薬 』 を、調合する方法を……ッ! |
な、何だと!? ……マジで言っているのか、貴様……? だ、騙そうたってそうはいかないからなッ! |
いいえ、嘘なものですか。 ……少々、お待ちくだされ。 |
はい、この通り。 コレを飲めば、すぐに効果が現れましょう。 |
……うう。 し、信じられん……。 |
……まぁ、信じるかどうかはお坊ちゃま次第。 さて、どうしますか? 買うのならば、お代を頂きたいのですが……。 |
……むむむむ……。 |
………………。 ( ふふふ。悩んでおる、悩んでおる ) |
……うう〜〜。 い、いくらだ? |
……そうですなぁ……。 ( どーやら、背が低い事を相当に気にしておるらしい。 ここは、吹っかけてやるとするか ) |
い、いくらかと聞いてるのだ!? |
……他にはない薬ですからねぇ。 坊ちゃまが今 手持ちのお金を、すべて頂きましょう。 ( く く く。散々、馬鹿にされたからな。仕返しだッ ) |
……な、なんて悪辣なジジイだッ! 人の足元を見やがってッ! |
ははは。 お金は、持ってる方から 多く取りたてるようにしているまでのことです。 |
…………う、うぅ〜〜〜。 |
……さて、どうなされますか? 買わないのなら、買わなくても結構ですぞ? |
……も、もらおう……。 |
……そうですか。では、代金を……。 ( しめしめ。かかりおったわい) |
ふっ。 誰が、買うと言った? ……『もらう』と言ったのだッ! |
へ? |
ぐ、ぐはッ!? |
こんな怪しげな薬に金など払うものかッ!? 没収するまでのことよッ! |
ひ、ひいいいいい!(泣) (……こ、これは……。こちらの想像を絶する対応だ…) |
ジジイ、とりあえずもらっておくぜ。 あばよッ!! |
そ、そんな……。 この泥棒ッ! |
……ふ。あいにくだが。 俺は人を騙す事など平気なのだ。 人から騙されるのは我慢ならねぇーけどなッ! |
( ううッ……。なんという末恐ろしいガキだ……!? ) |