三国劇場 |
GO! GO! 憎まれっ子 (第1話) | |
作: 天猿 |
……魏の曹操が、まだ少年だったころのお話……
……あ〜あ。退屈だなぁ。 何か、面白いことはないかなぁ〜〜? |
…口うるさい伯父さんの前で、仮病こいて からかうのは、凄く面白いし。 |
……結婚したての花嫁をかっさらって、 手ごめにするのも、最高に楽しいんだけど。 |
……なんとなく、 今日は新しい遊びにトライしてみたい気分なんだよね。 |
……うーん……。 今日は、何をして遊ぼうかなぁ……? |
……………………。(熟考) |
…………よし。決めたぞ。 |
今日は、 『 街に出て、物売りの貧乏人共を冷やかす 』 という遊びで、過ごすとしよう。うふふふふ。 |
薬〜。薬は、いらんかね〜〜? 色々な薬を、揃えておりますぞ〜〜〜。 |
( ……おや、ちょうどいい。いかにも怪しい 薬売りのオヤジがいるではないか♪ 最初のターゲットは、アイツに決定!! ) |
薬〜〜。薬はいりませんか〜? この華佗が調合した、世にも珍しい妙薬ですぞ〜。 |
やい、そこの薬売り。 |
おや。 これはいかにも お金持ちそうなお坊ちゃま。 薬は、いかがですか? |
……ふふふ。金持ちというのは、当たっているぞ。 俺のジイチャンは皇帝のお気に入りな宦官だし、 オヤジは一億銭もの賄賂を渡して大尉という最高の役人になった男だしな。 |
ははは。それは、凄い一家ですな。 ( うげぇ、なんちゅうヨゴレな血筋だ!? ) |
ジイチャンとオヤジから小遣いをタップリもらっている 俺は、当然のことながらリッチボーイ! 貧しい薬売りに施しをかねて、買い物をしてやれる立場なのだ。 |
…………ははは……。それは、有り難いことです。 ( くうう、なんてイヤなガキ…… ) |
……どれ、品物を見せてみろ。貧しい薬売り。 まぁ、見るからに不健康そうなオマエの売ってる薬など、 たいした効き目なんかないだろーけどな。 |
……そんなことはありません! この華佗が調合した、この世に二つとない品ばかりですぞ。 ( 私の本業は医者なのだが……。 今はまだ、そちらが軌道に乗っておらん。ここは、耐えねば ) |
まぁ、別に珍しい薬でなくてもいいんだけどね。 ちゃんと、効きさえすれば。 |
……む。 では、どのような薬が、お望みで? |
服用しただけで、幸せな気持ちになって、 トリップできたり。 |
SEXの時にキメると、感度が異常に高まったり。 |
薬の効果がある間は、十日ほど寝なくても全然 平気で、 ハイテンションでいられたりする薬が、欲しい。 |
なななななッ!?? そ、それは 『 クスリ 』 じゃなくて 『 ヤク 』 じゃないですかぁッ?? |
……こまけぇコト言ってんじゃねぇよ、ジジイ。 で、オマエの扱っている品の中には、そーゆー品は 置いてあるの? 置いてないの? |
お、おおおおおお……ッ、 お、置いてあるわけないでしょうッ!? |
……ちっ。 散々、『珍しい薬を揃えている 』なんて言っていたくせによぅ。 まったく、使えない薬売りだな。(笑) |
……………………ッ!! |
……ま、ハナっから期待してなかったけど。 しかし、欲しいと思える品がない以上、 長居も無用かな〜? |
……な、なんと? ( こ、このガキッ! 最初から冷やかしだったのか!?) |
……じゃ、あばよ。 無能な薬売り。 |
……いえ、お待ち下されッ! 他の、珍しい薬で名誉挽回いたしますゆえ……ッ。 ( もう我慢ならん。こんな不良少年は、ひとつ懲らしめてやらねばッ!) |