三国劇場 |
男と女のラブゲーム 第3話 | |
作: 天猿 |
魏の曹操が関羽に惚れこんでいたのは有名な話。
関羽が一時的に曹操の下に身を寄せていた時代もあったが、
劉備を忘れられない関羽と、曹操は決別することとなる。
……見事な別れ際を見せた曹操ではあったが。
しかし未練は断ち切れるものではなかった……。
……はぁ……。 |
孟徳……。 また一人で、ため息なんかついちゃって。 どうしたの? |
……うッ……。 夏侯惇か。 いや、なんでもないさ。 |
もう……。(苦笑) 無理することないわよ。 どうせ、関羽のコトを考えていたんでしょ? |
そ、そんなコトないぞッ! 関羽のコトは済んだことだ。 吹っ切っているさ。 |
ううん、隠す事ないわ。 人を好きになるのに理屈はないし。 忘れようとしても、忘れられるものでもないわよね。 |
……はは……。 オマエには、叶わないな。 |
……そんな孟徳を見てるのが、 つらくないと言えば嘘になるけど……。 嫉妬したところで、仕方がないものね。 |
…………。 いいヤツだな、オマエって。 |
私のコトはいいの。 でも、孟徳には元気を出して欲しいと思ってる。 |
……夏侯惇……。 |
……ね、良かったら今夜 私の家に来ない? |
自慢の手料理をご馳走するわよ。 美味しいものを食べたら、 少しは気分も晴れると思うけど? |
……ふふ、そうだな。 それ、悪くはない提案かもな。 確かに、こういう時はうまいモノをを食うのが一番だ。 |
よし。 ここはオマエの気持ちに甘えるとするか。 でも、変なモノは出すんじゃねーぞ?(笑) |
クス。(笑) もぅ、意地悪なんだから! |
おーい、夏侯惇。 なにか手伝おうか? |
いいの、いいの。 そこで座っていて。すぐに出来るから。 |
……ふっ……。 ( 本当に夏侯惇って尽くすタイプだな。 プライドの高い関羽とは大違いだ ) |
……ふふ……。 ( やはり、わがままな俺には夏侯惇みたいな タイプが合っているのかもしれないなぁ) |
い、いやだわ。 孟徳ったら、さっきから私を見てニヤニヤしちゃって。 |
……べ、別に。(汗) オマエを見てたワケじゃないぞ。 ただ、その……。 |
そう、料理。 料理が、まだできないのか、と 気になっていただけなのだ。 腹ペコなのだからな、俺様は!! |
はいはい。(笑) 今、できたところよ。 |
おお! 待ってました♪ で、何をご馳走してくれるのだ? |
はい。 『目玉のスープ』に『目玉のソテー』。 |
……う!? |
食前には、『生目玉のミックスジュース』をどうぞ。 |
うひぃいいいいいッ!!?? |
もちろん、すべて無農薬・無添加物の、私の目玉。 さぁ、召し上がれ。 |
く、食えというのかッ!? |
もう、照れ屋さんなんだから。 はい、孟徳。 あ〜ん♪ |
やめろぉッ! や、やめてくれぇええええーッ!! |
おい、孟徳? 今日は、妙によそよそしくないか? |
……すまぬ。 昨夜 大変な悪夢を見てしまったゆえ……。 頼むから、今日は話しかけないでくれ。 |