三国劇場 |
男と女のラブゲーム 第1話 | |
作: 天猿 |
魏の曹操が関羽に惚れこんでいたのは有名な話である。
……なぁ、関羽。 関羽の好みのタイプって、どんな男だ? |
何よ、急に? 曹操殿ったら。 急にそんなことを聞かれても、困ってしまうわ。 |
いいから教えてくれよ。 なんとなく、気になるのだ。 |
……そうねぇ、『好みのタイプ』かぁ……。 耳が自分の肉眼で見れるくらい長い人、がタイプかしら。 プロポーションは……。 手が膝下まで届くくらい長いと、理想的だわ♪(笑) |
……む……。 |
……あら? どうしたの、曹操殿? |
……べ、別に…。 し、しかし意外だな。 か、関羽って結構、趣味悪いっていうかさぁ? |
……ムカ。(怒) 趣味が悪い、だなんて失礼しちゃうわ! どうして、そんなコト 言うのよッ!? |
だ、だってさ……。関羽の言うタイプって、ようするに 『耳と手が、異常に長い人間』 ……ってコトだろ? ハッキリ言って、そんなの不気味じゃん。 ていうか、もはや宇宙人だよ、そんなヤツ。 |
…………ッ!! う、うるさいわね、余計なお世話よッ!!(怒) この宦官の孫ッ! |
…………ッ!? |
間違っても、 曹操殿みたいなチビはタイプじゃないから、 安心してちょうだいッ!! |
…………ッ!! ヒ、ヒデェッ!! な、なんだよ、人が気にしてるコトを……。(泣) |
あ〜ら? それは悪かったわねぇ♪(笑) |
……くっ……ッ!! 言いたいこと言ってくれるじゃねーか、 このヒゲめ!!(怒) |
な、なんですってッ!? |
……お、俺だって関羽みたいな むさいヒゲヅラしたヤツは…… 全然 タイプじゃねーよッ!! |
……!! きぃいいいいッ!! この自慢の美しいヒゲを悪く言うなんて、許せないわッ!(怒) |
お〜や? それは悪かったなぁ♪(笑) |
……大体、前から言おうと思っていたけどッ。 私には心に決めた人がいるのッ! まとわり付かれるのは、迷惑よッ!! |
……ハッ!(笑) いったい何を勘違いしてるんだか。 モテる俺様がオマエなんか相手にするかっての! うぬぼれてるんじゃねーよッ!! |
…………まったく、孟徳ったら……。 アナタって人は……、本当に馬鹿なんだから。 |
…………グスッ……、ひぐひぐッ!(泣) |
どうして、そんなコトを言ったのよ? 孟徳、あなた関羽に惚れていたんでしょ? だったら、素直に自分の気持ちを伝えれば、良かったのに。 |
……う、うるさい、うるさいッ! 夏候惇なんかに、俺の気持ちがわかるものかよぅッ!? うぉおおおおおおんッ!!(泣) |
……やれやれ。 ま、孟徳のそんなところが、ほっておけないんだけどね。 |
( でも正直 ホっとしちゃった。 孟徳には、関羽よりぴったりのコが近くにいるんだから ) |
(たとえば。 幼馴染で片目の世話焼きさん、とかね♪) |
……おや? 夏侯惇殿、今日はご機嫌ななめのようですな? |
……別に。 ただ、昨夜 不愉快な夢を見てしまったゆえ。 |
(おのれ、関羽め。 夢の中までも孟徳を苦しめるとは。まったく、ヤツだけは許せぬ!!) |
天猿 : 惚れる、の意味 違ってましたっけ?