董卓暗殺に失敗した曹操が陳宮と共に逃亡していたときのこと。
曹操は知人の呂伯奢(りょはくしゃ)に助けられ、かくまわれるが、
ふとした勘違いで呂伯奢の家族を殺してしまい……。
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曹操殿……ッ。
あなたという人は……ッ!(怒) |
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…………。 |
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呂伯奢殿の家族が我らを裏切り、
我らを捕らえようとしたと勘違いして
彼らを殺してしまったこと。
……これは仕方ありますまい……。 |
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………………。 |
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しかしッ!
誤解が解けたにもかかわらず、
何故 その後、呂伯奢殿まで殺してしまったのですかッ!? |
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………わからんのか、陳宮? |
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?? |
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誤解とは言え、家族を殺された呂伯奢は、
きっと我らを許すまい。
ヤツが我らの情報を追っ手に売る前に、始末しただけのことよ。 |
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……なッ……!?
あ、あなたはなんて人だッ!?
それで、罪の意識を感じないのかッ!? |
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たとえ俺が人を背こうとも、
人が俺に背くことは許されないのだッ!! |
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……な……ッ……!? |
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……フ……。
( ここで弱みを見せてはトップはつとまらないからな!
陳宮よ。この俺を恐れ、うやまうがいい!) |
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……な、なんたる自己チューなヤツなんだ、オマエはッ!? |
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え。
( あ、あれ?) |
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オマエなんかには、とてもついていけんわッ。
さらばだッ! |
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がーんッ!
ち、ちんきゅうぅ〜〜〜!!(泣) |
その話を聞いた劉備は、思った。
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(ははは。馬鹿だな〜、曹操は。
私は、そんな失敗はしないようにしないとね!) |
そして、後日 その教訓を活かす事にした。
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孔明よ、この劉備は『徳の将軍』と呼ばれておる。
……その私に、そのような献策をするのか? |
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……しかし、劉備殿!
劉表殿が亡くなった今、その息子は軟弱な者達ばかり……。 |
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……………。 |
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今、荊州を取らずして、いつ取るというのですかッ!? |
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………わからんのか、孔明? |
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?? |
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たとえ私が人に背かれようとも、
私が人を背くような事があってはならないのだッ!! |
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……な……ッ……!? |
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……フ……。
( ここで仁徳を見せねばトップはつとまらないからな!
孔明よ。この私に惚れるがいい!) |
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……な、なんたるヘタレな人なんですか、貴方はッ!? |
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え。
( あ、あれ?) |
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貴方なんかに仕えては、命がいくつあっても足りません。
さらばですッ! |
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がーんッ!
こ、こうめぇい〜〜〜!!(泣) |
それらの話を聞いて、孫権は思った。
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( 二人とも、極端なんだよなぁ。
…どうやらトップの条件とは無理をしないこと、みたいだね♪) |
天猿 : 考えてみたら、仕えるには孫権が一番 楽かもしれませんね。