三国劇場 |
大人の会話 | |
作: 天猿 |
呉の孫尚香が、まだ穢れを知らない少女だったころのお話
キャイ、キャイ。 |
(あら。お義姉様達が、何か 楽しそうに話しているわ。 よし、ここは コッソリ盗み聞きしてみましょう!) |
……ねぇ、小喬。 男って、やっぱ結婚したら変わるのね。 この前も話したけど、ウチの孫策ときたら……。 |
やっぱり、大喬お姉様のところもそうなのね。 ウチの周瑜も、最近 アレの方はさっぱり……。 |
(アレって……? ひょ、ひょっとして……。きゃぁ♪) |
まず、回数の方から減ってくるのよね。 新婚の頃は間を置く事がなかったのに、 最近は1ヶ月に一度とか二度だわ。 |
そーそー。 ウチの周瑜も似たようなものよ。それに……。 |
いい加減というか、おざなりというか。 毎回、同じような内容で、飽きちゃうのよねぇ〜。 |
(……そ、そんなモノなの?) |
でも、そのくせ 孫策ときたらいつも口にするのよ。 『 へへっ、どうだ? けっこう、うまいものだろ?』 ……ってさぁ。 |
そーそー。やめて欲しいよね、あのセリフ。 男って、どうしてそうなのかしら? 本当は、全然 よくないくせにさ。 |
あら、小喬の旦那様…… 周瑜殿は、結構 上手そうじゃない? |
ぜーんぜん。(笑) はっきり言って、下手クソよ。 見てくれがいいからといって、 器用とは限らないわよ。お姉様。 |
( ガーンッ!! 周瑜様って、下手だったんだ!?) |
ま、そんなモノなのかもしれないわね。 付き合い始めたばかりのころとか結婚したての頃は、 下手なりに色々 努力してくれたから、さ。 ……ついつい、甘い採点をしちゃったのだけど……。 |
長くいっしょにいると、 向こうも手を抜くようになってくるのよね。 そのくせ、変に自信を持っているじゃない? 嫌になるわよね。 |
あーあ。もうウンザリ!! |
( うう……。お姉様達もひどいわ。 そこまで言う事ないじゃないッ!?) |
……そこで。 小喬、モノは相談なんだけど? |
なになに? お姉様。 |
旦那達には、もうウンザリじゃない? だから、思い切って外に出てみない? |
ええッ!? お姉様、ソレってひょっとして……。 |
( ま、まさかッ!?) |
ふふふ。 最近、ちょっと気になるお店を見つけたの。 旦那には、絶対 秘密なんだけど……。 |
どきどき。 |
……ひそひそ。 |
……フフ。なるほどね。 ウサ晴らしには、ちょうどいいかも♪ 一人で行くには勇気がいるけど、二人なら……。 |
そういうこと。 よし、決まりね♪ |
うふふふふ。(笑) ……たまには、旦那以外の味も 楽しまないとね……。 |
そ、そ…ッ、そそそそっそ…ッ!! そこまでよッ、お義姉様達ッ!! もう、黙って聞いてられないわぁあああ〜〜ッ! |
あ、あら? 聞いてたの? |
お、おねぇさま〜〜〜〜ッ!! (怒) |
……う……。(汗) |
いやらしいわ! ふしだらだわッ! もうホントにホントに……、 信じらんないッ!! |
ちょ、ちょっと……。 |
お義姉様達の不潔ッ! 尚香、大人になっても 絶対 お義姉様達のような女にならないんだからぁッ!! |
そ、その……。 |
……お義姉様達なんか、大っ嫌い……ッ……。 うわぁああああああ〜〜〜ん!!(泣) |
……い、行ってしまったわ……。 |
いきなり飛び出してきて さんざんわめいたあげく、走り去っちゃうんだもん。 びっくりしちゃうわよね。 |
でも、いったい何が気に触ったのかしら? |
さぁ? |
……ただ、亭主の手料理について 愚痴を言ってみたり。 |
有名シェフのお店での高級ランチを、 計画していただけなのにね……。 |
天猿 : 料理に妙な自信のある男って、結構 多いですよねぇ……。