三国劇場 |
最強シスターズ (前編) | |
作: 天猿 |
……もしも、呉の二喬が悪妻だったら……
ただいまー。 |
やっと帰ってきたか、この甲斐性なし。 |
ちゃお〜。 周瑜ちゃん、お邪魔してるわよん♪ |
……うっ……。(汗) |
なぁ、小喬よ。 旦那様が帰ってきたのだ。 『お帰りなさい』くらい、言ってくれてもいいだろう? |
…それと大喬殿。 義姉とは言え、毎晩 遊びに来るのは やめてください。 |
うっさいわねー。『お帰りなさい』もへったくれもないわよ。 私達が、お腹をすかせて待っていたのに。 早く晩御飯を作ってよねーッ! |
孫策が生きていたら、あいつに食事を作らせるんだけど。 でも、孫策ときたら結婚して1年半で死んじゃうんだもん。 家にいても、食事を作らせる亭主がいなくなっちゃったのよね〜。 だったら、周瑜ちゃんのところに来るしかないのよさ? |
……あのね。 食事を作るのは、本来 妻の仕事でしょ? |
また、その質問〜? ……ったく。 お姉様、何か言ってやってよ。 |
い〜い? 周瑜ちゃん。 私達みたいな美人と結婚できただけでも、幸せじゃない? それなのに、これ以上 何を望むワケ? |
炊事、洗濯、掃除、子育てにいたるまで、 全て夫がしなくちゃいけないに決まっているでしょ? |
そーそー。 私達みたいな美人はねぇ、 ただ座っているだけでい〜の。 |
……ははは……。 わかりました。もぉ〜、いいです。 ですが、せめて。 毎晩、深夜 遅くまで飲んだくれるのは やめてください。 |
あーん? 何を言っているのかしら、この軟弱亭主は。(笑) 『酒を前にしては、まさに飲むべし。人生いくばくぞ』 ……って、言うでしょーが? |
そうね、やっぱ お酒よね。もう待ちきれないわ♪ とりあえず周瑜ちゃん。 食事の前に、何か お腹にたまるツマミを作ってちょ〜だい。 フォアグラのソテーとか、キャビアを使ったサラダ 、あたりでいいからさ。 ……ただし、速攻でね!! |
………………………………。 周瑜と孫策は、二喬を妻とできたことを喜ぶべきなのでしょうな。 |
オーッホホホホホホ!! 当ったり前じゃな〜い♪ |
……ふっ。 周瑜殿。魏の大軍を前にして、 『 開戦か降伏のどちらを選ぶか 』で悩んでいるようですな。 |
うむ。孫策から預かった呉国を滅ぼすわけにはいかぬ。 しかし、魏を相手に勝利をおさめるのも難しい。 ……さて、どうしたものか? |
ふふふ。ひとつ、いい方法がありますぞ。(笑) 曹操は、呉の美姉妹 二喬に関心があるとか? 彼女達を差し出せば、 あるいは降伏しても、魏軍は呉領を蹂躙せずに 本国に引き上げていくやもしれませぬ。 |
なんだと!? |
はははは。 しかし、小喬殿は周瑜殿の妻でしたな? さてさて。周瑜殿のお気持ちは、いかに? |
……降伏いたす! |
へ? |
断固、降伏いたすッ!! |
…え……ええッ!? ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいよッ!(汗) 小喬殿は、アナタの奥さんでしょ? そ、それに。降伏したって、それが必ずしも呉にとって 最善の道とは限りませんが……? |
知らん、知らん。 嗚呼、それにしても。 あの二人を引き取って頂けるとはッ!? ……曹操殿とは、なんと素晴らしい方なのだ……ッ!! |
天猿 : 周瑜って、とことん 『いじめられぇ』 ですね