三国劇場 |
そんけん | |
作: 天猿 |
呉の、ある日のこと。
……孫堅と孫権が親子の会話をかわしていた際……
はははははは。 |
そんけん さまぁ〜。 |
……ん? 何だ。 私のことを呼んだか、周瑜? |
あ、用がありますのは 父上の「そんけん」様の方でして……。 |
……む。 なんだ、私を呼んだのではなかったのか……。 |
ふむ。 とりあえず私への用件を聞こうか、周瑜? |
劉表を攻める兵の編成が整いました。 後は、孫堅様の確認をいただくだけですが? |
わかった。 のちほど、見に行くとしよう。 |
……それにしても。 父子そろって同じ呼び方の名前では 結構 まぎらわしいものですね〜。(苦笑) |
おっと、失礼いたしました。 ……では、私はこれにて。 |
…………………………。 |
のう、わが息子 孫権よ。 |
なんでしょうか、わが父上 孫堅殿。 |
どうやら、呉に我ら二人の「そんけん」がいるのは、 まぎらわしいようだな? |
そうですね。 私も前々から、そのように思っておりました。 |
……うーむ……。 やはり息子にも「そんけん」という名前をつけたのは 私の不明であったな。 |
……では、父上。こういうのはいかがでしょう? 今からでも、私に新しい名をつけていただくというのは? |
それは良い考えだな。 ……お♪ ちょうど今、いいのが三つほど浮かんだぞ。 |
おお♪ 是非、お聞かせください。 |
■ その1 「酒乱ボーイ」 ■ しゅらんぼぅい、と読む。 酒癖の悪いオマエには、ピッタリの良い名であろう。 |
■ その2 「青目玉」 ■ あおめだま、と読む。 これも傑作だな。オマエは目玉が青いし。 |
■ その3 「髭ムラサキ」 ■ ひげむらさき、と読む。 これまた捨てがたい。オマエの髭は紫色だからな。 |
…………………………。 |
ち、父上。 他に、もっといい名前が浮かばなかったのですか? |
なんだと。 私のセンスにケチをつける気か?(怒) この親不孝モノめが!! |
うぅっ!? |
ええい、こうなったら 何が何でも先ほどの三つから選んでもらうぞ! それがイヤなら勘当だッ!! |
な、なななななっ!!?? |
ふはははははは♪ さぁ、どうする? どれを選ぶのだ? |
………………。 |
……す、少し 考える時間をください……。 |
うむ。(笑) 最初から、そう言えばよいのだ。 この父に逆らおうなど一億年早いわ! |
まぁ、ゆっくり考えて選ぶがよい。 うははははははははは♪ |
( ちっくしょぉー、このクソ親父、 早く死んでくれねぇかなぁーッ!! ) |
天猿 : 実際 まぎらわしいですよね、この二人。