三国劇場 |
趙雲の七日間戦争 最終回 | |
作: 天猿 |
完全にグレてしまった趙雲。
劉備が頼れるのは、もはや孔明のみ。
孔明、どうしたものぞ? (泣) |
不良を叩きのめすには、言葉の暴力あるのみです。 ……ここは、私におまかせあれ。 |
ふん。 『どうしたものぞ?』 に 『おまかせあれ』 か。 泣ける主従関係じゃねぇか、お二人さんよう?(笑) |
ひぃッ!? |
これはこれは趙雲殿♪ わざわざ、そちらから 出向いてくれるとは。 手間が省けて、助かります。 |
へッ。長坂橋で曹操軍数万の兵を相手どって 一騎駆けを決めた俺様に、 何もしていなかった軍師様が何を言えるってんだ? |
はっはっはっ。 数万の敵兵の中を駆けずり回って、 ゴミを拾ってきた趙雲殿に言われたくありませんな♪ |
……な? |
なんだとぉおおお!?(怒) |
お、俺の手柄をゴミ扱いするつもりか? |
実際、ゴミを拾ってきたよーなもんじゃないですか。 あんな、頭の悪そうなクソガキを拾ってくるなんて、大迷惑です。 後で苦労するのは我々なのですよ。 |
ぬ、ぬぅうううう〜〜〜〜〜ッ!! |
なんです、その反抗的な目は? いいでしょう、この際です。 はっきり言ってさしあげましょう。 |
実際、紙クズ程度のゴミを拾ってきたのなら、 まだ可愛げがあったんです。 しかし、あの父親似の馬鹿そうな生き物は、 間違いなく将来 蜀の国のためにならない有害物質。 |
いつの日か蜀が滅んだら、あんたの責任ですよ。 |
……ぐッ……! |
どーせ、一騎駆けするなら 曹操の首でも取ってくればいいものを。 ただ持てあますだけのお荷物を 拾ってきて威張るんじゃないッ! この、無能ッ! |
……くっ……。 ……ううううぅ……ッ。(泣) |
……た、確かに……。 軍師殿のおっしゃる通りだ。 あんなモノを拾ってくるとは、自分もどうかしていた。 |
目が覚める思いとは、このこと。 これからは、謙虚な姿勢を貫きつつ 罪を償なっていかねばなるまい。 |
よろしい。 わかっていただけたようですね? |
さすがは孔明殿だ。 いやぁ、よかったよかった。 |
……は、はは……はははは……。 ……そ、そーだな、よかったな……はははは……。 |
天猿 : この孔明、イヤなヤツっすね。