三国劇場
趙雲の七日間戦争
作: 天猿




蜀の国を手に入れ、ようやく落ち着いた劉備。

長年苦労をかけた趙雲に報いるべく、劉備はある提案を持ちかけた。


劉備 のう、趙雲よ。

前々から思っていたのだが……。

趙雲 は。

何でございましょうか、劉備殿。

劉備 そう、それだ。

その堅苦しさは何とかならんのか?

劉備 もう長い付き合いなのだ。

関羽・張飛と同じように、
そなたとも肝胆 相照らす会話を楽しみたいと
思っているのだよ。

趙雲 そんな、恐れおおい……。

ほ、本当に、よろしいのですか?

劉備 ははは、もちろんだ。

なんならそなたとも、義兄弟の契りをかわそうか?



趙雲 …………………………。



劉備 …ん?

どうした、趙雲よ。

趙雲 ははは、フザけるな。

このヘンテコな耳をした
偽善者野郎め。

劉備 ……な、なッ……。

なんだとぉおおおッ!?



趙雲 あ? なにキレてんだ、てめぇ? 

御望みどおりに、正直に思ったことをそのまま述べたまで。
文句あんのか、コラ?

劉備 ……う……ッ……。

趙雲 この際、ハッキリ言わせてもらうけどな。

おめーら、ムサ苦しい三兄弟は
カッコイイ俺様の引き立て役なんだよ。
間違っても、おめーらと義兄弟の契りなんてゴメンだぜ。

劉備 ……ば、馬鹿な……。

趙雲 フフフ。

しかし思ったことをそのまま口にするのが、
これほど気持ちいい事だったとはな。(笑)

趙雲 ……今まで我慢した分、
これからは好きにやらせてもらうぜ、オッサン!

劉備 …ちょ、趙雲がグレた……。



…………我慢してきた優等生ほど、グレると手がつけられないものである。

手遅れにならないうちに、劉備は趙雲を更正させることができるのか?


次回に続く!




天猿 : 反抗期は、誰でも通る道ですからね。