三国劇場 第 2 幕 |
巨頭会談(後編) | |
作: 大滝 |
魏・呉・蜀の三国鼎立時代。
争いをやめさせるべく、
献帝が極秘裏に各国の王を召集して行われた
「第一回・巨頭会談」は大失敗に終った。
……しかし、平和を愛する献帝は翌年、再び話し合いの席を設けたのだった……
昨年の会議は散々であったな。 ……まったく、その方ら三人ときたら……。(怒) |
……うぅ。(汗) お、お言葉ですが、帝。 我等とて、本心では平和を望んでいるのです。 |
そうです。昨年は「仲直りついでに義兄弟」などと 調子に乗ったから失敗したのです。 義兄弟だと、どうしても上下関係が生まれますからな。 |
( 言い出したのは、おまえだろーが ) |
……いやいや。(笑) おっしゃる通りですな、劉備殿。 今年こそは、我等三人 上下関係のない 仲良しグループとして再スタートしましょうぞ! |
おお、仲良しグループとはいいのうッ! 互いにニックネームで呼び合えるような 間柄になって欲しいものじゃ。(感涙) |
フム…。 確かに帝のおっしゃる通り、仲良しグループと言うからには、 それぞれのニックネームは必要不可欠だな。 普通に名前で呼び合うのは、いかにも他人行儀よ。 |
では、さっそく それぞれのニックネームを決めよう。 ええと、まず曹操殿は……。 |
…………ッ! おお、今 曹操殿にピッタリなヤツが浮かんだぞ。 |
どんな?(わくわく) |
『 ちびすけ 』 |
…………ッ!! き、貴様ッ!? |
ぷッ、ぷぷぷッ。 可愛らしくていいではないか!? 背の小さい曹操殿にはピッタリだッ。(笑) |
…ふ、ふふふふ…。 俺にも今、劉備殿にピッタリなヤツが浮かんだぞ……。 |
ど、どんな?(ドキドキ) |
『 手長ざる 』 |
…………ッ!! て、てめぇッ!? |
ぶわはははッ。 あ、愛嬌があっていいではないか!? 手が膝下まで届く劉備殿にはピッタリだッ!(爆笑) |
く く く……。 はて、孫権殿。 呑気に笑っていてよろしいのか? |
貴殿にも、おあつらえ向きなヤツを用意しておるのだが。(笑) |
ど、どんな? (びくびく) |
『 うおのめ 』 |
…………ッ!! や、野郎ッ!? |
うひゃひゃひゃひゃッ! シュールでいいではないか!? 死んだ魚のように青い目をした孫権殿には お似合いだなッ! |
……ちょ、ちょっと待て、そなた達。 さ、さっきから見ておると、 どーにも仲良しグループという空気ではないような……?(汗) |
……………………。 |
ははは、帝。 随分と、おかしな事をおっしゃるのですな。 なぜ、この曹操ともあろう者が 『 うおのめ 』達と仲良くしなきゃならんのです? |
やる気か、『 ちびすけ 』。 言っておくけど、俺の国は強ェーぜ? |
……この、クソ共めがッ。 よくも、私のような人徳の主を『 手長ざる 』などと……。 こんな屈辱は初めてだ。 たとえ我が国の民を全員 犠牲にしてでも、貴様等の国を潰してやるッ。 |
ははは……。 ……よぉーくわかった。 つまり、そなた達が生きておる限り、 戦乱の世は終らぬのだな。(泣) |