曹操に狙われた絶世の美女。赤壁の開戦の陰に、女あり。
小喬  〜 しょうきょう 〜
【 生没年 】

175年頃? 〜 ?
分類 美女  傾城 型
長所 美人
【 出身 】

揚州 皖
短所 姉とセット
備考 旦那さんは美周郎で有名
列伝

 正史では「小橋」と書く。皖の橋氏の娘。
双子の絶世の美女で、姉の大橋と二人揃って「二橋」と呼ばれていた。呉の孫策が橋氏を攻めたときに捕らえられ、大橋は孫策、小橋は周喩に、それぞれ妻として娶られる。

 小説・「三国志演義」では、この二人の美しさに魏の曹操も憧れており、彼女達を銅雀殿に迎え入れ、老後を楽しみたいという詩を詠っている。最初、小喬の夫・周喩は「赤壁の戦い直前まで魏に降伏を考えていたが、諸葛亮の「曹操は二喬を我がものにしようとしている」という言葉に憤慨し、開戦に踏み切ったとある。

 史実においては、銅雀殿の完成は「赤壁の戦い」の後であり、曹操が呉の二喬について語ったことはない。

 しかし、曹操が袁氏を滅ぼした掃討戦では、戦いの後に
 「袁紹の次男・袁煕の妻 甄姫は絶世の美女と聞いて、彼女を手に入れるべく出兵したのに曹丕に横取りされてしまった。この戦いは、曹丕のために起こしたようなものだ」
 と、言葉を漏らしているエピソードからもわかるように、曹操が人妻趣味であったことは事実である。

 案外、正史には書き残されていないだけで、実際にも演義で展開されたような舞台裏があったかもしれない、と想像してみるのも面白いかもしれない。