沮授

 
袁紹の河北平定に大きく貢献した


『 天才的戦略家 』

それが、この沮授です。

早い段階から、極めて明確な形で
「天下平定のシナリオ」を説き、
その才略を見込まれて軍の統括権を与えられました。

官渡大戦の直前まで、袁紹陣営の軍権は
沮授の手にあったと言っていいでしょう。

しかし、その巨大な権限と
それにともなう名声・財力によって、
やがて袁紹から警戒されるようになります。

主君に進言が受け入れられなくなり、
 さらに軍権も分割・縮小されてしまった沮授は、
官渡大戦で黄河を渡る際に
以下のように嘆いたと伝えられています。

悠悠哉、黄河也。我其不反乎。
( 悠々たるかな、黄河よ。我それ かえらざらんか )

 悠々と流れる黄河よ。
私はもう、帰ってこれないのだろうね。


悲劇的な結末が見えていながらも、
それを受け入れざるをえなかった人。

しかし、それゆえに印象的な方です。
栄光なき天才達の、一人として。

列伝 『 沮授 』